88歳で資産20億円に到達したデイトレーダー・藤本茂が好んで売買するのは“円安恩恵銘柄”「主力の銘柄は基本的に変えない」
午前2時に起床し、起きている間の時間をほぼ株式投資に費やす“株漬け”の生活を送る88歳デイトレーダーの藤本茂氏。そんな藤本氏は、2025年の株式市場について、「日経平均株価が最高値を更新する可能性はある」と話す。藤本氏の2024年の振り返りと、2025年の展望をお届けする。みんかぶプレミアム特集「スーパー投資家の教え」第9回。
2024年は資産20億円に到達
2024年は日経平均株価が最高値を更新する一方、8月の過去最大の暴落に加え、自身も軽い脳梗塞やぎっくり腰に見舞われるなど、山も谷も経験した藤本茂氏。そんな2024年の藤本氏の投資成績は、昨年度比約10%プラスで幕を閉じた。資産総額は20億円の大台に到達したが、「ボチボチやね。読みを外したものもたくさんある。点数で言うたら80点くらいかな」と控えめに振り返る。 日経平均株価の上昇にともない、7月時点で資産20億を突破していたものの、8月5日の暴落時には一日で2.6億円が吹き飛んだ。その後4ヶ月かけて、ようやく暴落前の水準まで持ってくることができた形だ。 2024年には、東京証券取引所が取引時間を30分延長。取引終了前最後の5分間は売買を成立させずに注文だけを受け付け、午後3時半に一斉に注文を成立させて終値を決める「クロージング・オークション」を導入した。寄り付き前と同様に、株式の売買注文の価格と数量をリアルタイムに表す「板」の状況を配信するようになったこの制度について、藤本氏は「面白い仕組みやね。腕が試されるわ」と好意的に受け止めている。
局面が変わっても主力株は変わらない
藤本氏が好んで売買するのは、海外でも事業展開している“円安恩恵銘柄”だ。2024年に一時円高が進行した際にはそれらの銘柄の株価も軒並み下落したが、米大統領選挙でのトランプ氏の勝利以降は円安が進行中だ。 藤本氏は、「こうなってほしい」といった展望を抱くことはない。「予測するのも大事やけど、予測はあくまで予測。あくまで実際にどうなってるかが大事や」と話す。最近は米国で上場している預託証券である日本株のADRの価格をより注視し、日本の株式市場での株価と比較しながら、寄り付き前から注文を入れていく。 トランプ氏が主張する諸施策の実施に伴う経済の先行きは不透明だ。トランプ氏はカナダとメキシコの製品には25%の関税を適用すると表明している。たとえば自動車メーカーは両国を重要な生産拠点と位置付けており、関税を課すことによる影響は避けられない。藤本氏も「関税に加えて移民政策もある。これは経済にとってはアゲインストの風やろう」と見る。 藤本氏はそれでも、「主力の銘柄は基本的に変えない」と話す。 「少子高齢化が進んで、これからの日本は人口が減っていく。ということは日本国内だけをマーケットにしている企業が長期的に業績を伸ばしていくことは難しい。短期的に見れば株価の上下動があったとしても、やっぱり世界に通用する株を買わなあかん」 また自動車業界では、ホンダと日産自動車が経営統合に向けた協議を正式に開始するなど、新たな動きが見え始めている。「日本の自動車業界もあの手この手で生き残ろうとしている。いまが面白いよ」と話す。
藤本茂
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