野村HD、7-9月純利益は3倍弱-ホールセールなど主要部門好調
(ブルームバーグ): 野村ホールディングス(HD)が1日発表した2024年7-9月期(第2四半期)の連結純利益は前年同期比2.8倍の984億円だった。ブルームバーグが集計したアナリスト4人の連結純利益の予想平均630億円を上回った。
主要3部門すべてが増益となり、四半期ベースの純利益としては20年4ー6月期以来、約4年ぶりの高水準となった。ただ、相場操縦や元社員による強盗殺人未遂などによる逮捕を受けて、業績回復に水を差しかねない事案も生じている。
7ー9月期の主要3部門の税前利益合計は同2倍の1225億円。国内リテールにおける顧客からの預かり資産残高に応じた手数料収入が伸びたほか、資産運用ビジネスも好調に推移した。ホールセール部門では国内の株式資本市場(ECM)収益の増加や欧州での大型M&A(企業の合併・買収)案件の関与が寄与したほか、前年同期に円安などで膨らんだ費用を抑制でき、大幅増益を達成した。
奥田健太郎社長は発表資料で「これまでの中長期的な取り組みの成果として、安定収益の積み上げと収益の多様化が顕在化したものであり、現在進めている戦略の方向性に対する自信を深めている」とコメントした。
野村HDは23年5月、米欧発の金融不安など収益環境の悪化を受け、今期(25年3月期)の主要3部門の税前利益目標を従来の3500億-3900億円から2880億円へと下方修正していた。今上期の利益は2359億円となり、進ちょく率はすでに7割超となった。市場環境に左右されずに利益を出せる体質構築に向けてコスト削減の取り組みを拡大するなどして、収益は回復傾向にある。
ブルームバーグ・インテリジェンスの伴英康アナリストは「市場予想をかなり上回り、良い決算だった」と評価。市場予想を上回った最大の要因はホールセール部門の利益だとした上で「エクイティー中心に前四半期比でかなり伸びており、ポジティブサプライズだ」との見方を示した。