音波で海底地形調査、海図作成の貴重なデータ 本紙記者南極へ、第66次観測隊
【南大洋=鶴岡支社・近岡国史】南極観測船「しらせ」は航海中、船底に搭載した音波装置で水深を測り、海底地形を調査している。南極周辺海域の海図の作成などに役立てられる貴重なデータとなる。第66次南極地域観測隊では、友久武司(ともひさたけし)さん(41)=海上保安庁、京都市出身=がデータ管理を担っている。 観測室内に並んだモニター画面には、オーストラリアと南極大陸周辺の地図上に、暖色系と寒色系で航路が表示されている。水深に応じて色分けされ、水深約7千メートル、幅約1万4千メートルまで測定可能だ。データは現在の「しらせ」就役後の第51次隊から引き継がれており、毎回、微妙に航路をずらして測定エリアを広げている。友久さんは異常なデータが出ていないかを毎日チェックしている。 友久さんは海保に入庁後、南極に行った先輩から、氷山など現地の映像を見せてもらい、興味を持った。20年連続で南極行きを希望し、初めてかなったという。「うれしさでいっぱい。これまでの経験をフル活用して頑張りたい」と意気込む。プライベートでは「ペンギンやアザラシの写真を撮影したい」と笑顔を見せる。昭和基地到着後は近くの海岸で潮汐(ちょうせき)観測を担う予定だ。