<いざ!頂点へ・24センバツ報徳学園>閉店後に響く「アゲホイ」 吹奏楽部OB・天ぷら店主 北森敬浩さん /兵庫
「アゲアゲホイホイ」など報徳学園(西宮市)のスタンド応援は甲子園の名物の一つ。その演奏には同校吹奏楽部OBも協力している。神戸市中央区の三宮センター街で天ぷら店を営む北森敬浩(たかひろ)さん(56)もその一人。毎回、母校の出場が決まると、店内の棚からトランペットを取り出して練習を始めている。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 北森さんは中学から吹奏楽部で、高校入学直前に誘われた1983年と、3年に上がる85年のセンバツで演奏。高校卒業後は大阪市内の天ぷら店で修業中の5年間を除き、報徳学園が出場した春夏ほとんどで演奏している。現在の吹奏楽部顧問の池田純也教諭は同級生だ。 前回のセンバツでは多い日でOB十数人が、現役部員らと演奏した。中には有給休暇を取って東京から駆け付けたOBも。現役世代と合同練習はなく「いつもぶっつけ本番」という。 「卒業後は演奏の機会も少なく、甲子園で楽器を吹く機会を与えてもらっている。誰にも遠慮をせず、アルプス席で吹くのは気持ちが良いんですよ」と笑う北森さん。センバツに向け、閉店後の店内にトランペットの音色を響かせている。【稲垣淳】 〔神戸版〕