筋トレに脳トレ、女性お笑いコンビ「アルミカン」活動広げ15年…「お互い好きなことを楽しんでやろうと吹っ切れてから楽になった」
女性お笑いコンビ「アルミカン」が今年、結成15周年を迎えた。ここ5年ほど、自作の謎解きを動画で配信したり、ボディービル大会に挑戦したりと、活動の幅を広げてきた2人。12月6日には「これまでの集大成」として、単独ライブを予定している。
松竹芸能の養成所で同期だった高橋沙織と赤阪侑子が、2009年に結成。女性の恋愛やメイクなどをテーマに、ちゃきちゃきした高橋とじっとり話す赤阪の掛け合いが人気を呼んだ。
13年に「関西演芸しゃべくり話芸大賞」でグランプリを受賞し、14年から上方漫才大賞の新人賞にもたびたびノミネートされた。しかし受賞には至らず、10年目くらいまで模索の時期が続いた。
状況が一転したのは、コロナ禍だった。高橋は幼い頃から好きだった謎解きを生かし、自作のクイズを出題するユーチューブの公式チャンネル「さおりんの謎解きCH」を開設。MBSテレビのバラエティー「土曜のあさはほめるちゃん」で脳トレのコーナーを任されるようになった。22年にはパイロットの男性と結婚。「将来が不安だと言わなくなり、優雅になった」(赤阪)といい、コンビ仲にも良い影響が出た。
一方、赤阪は「ずっと高橋さんに頼って生きてきたが、一人でもやっていけないと」と一念発起。漫才作家から「ムキムキになったらおもろいやん」と助言を受け、体を鍛え始めた。
赤阪は「漫才は頑張ってもウケないことがあるけど、筋肉は頑張っただけ大きくなる」といい、ボディービルの大会にも出場。漫才にも筋肉アピールを取り入れ、“脳トレと筋トレの女コンビ”という新しい軸ができた。
高橋は「結成当初に思い描いていた将来とは、ちょっと違うけど、お互い好きなことを楽しんでやろうと吹っ切れてから楽になった」と笑う。
新しいことにチャレンジしつつも、「15年間ずっとネタと向き合ってきた」という自負がある。ここ数年は、デビュー当初ネタの中心だったコントに再び力を入れ、KBS京都ラジオの冠番組「アルミカンのチラリズム」でほぼ毎週、新作コントを披露している。
単独ライブ「桃栗三年柿八年アルミカン十五年」は「今までアルミカンを見たことがないお客さんにも来てほしい」と、活動拠点の心斎橋角座(大阪市中央区)を初めて離れ、扇町ミュージアムキューブ(同市北区)で開催する。午後7時開演。(電)0570・08・9999。(吉田清均)