トランプ次期大統領、就任式に「ブラジルのトランプ」招待…パスポート押収中で出席は不透明
【リオデジャネイロ=大月美佳】ブラジルのジャイル・ボルソナロ前大統領は8日、自らのX(旧ツイッター)で、20日の米国のトランプ次期大統領の就任式に招待されたと明らかにした。過激な発言などから「ブラジルのトランプ」と称されるボルソナロ氏は、トランプ氏と親密な関係を築いてきた。
ボルソナロ氏は2022年のブラジル大統領選で敗れた自身の支持者らが連邦議会などを襲撃した事件に関連し、クーデターを企てた疑いで捜査対象となっている。捜査当局に押収された自らのパスポートを返却するよう要請しているといい、就任式に出席できるかどうかは不透明だ。
8日は、連邦議会などを襲撃した事件から2年の節目だった。首都ブラジリアでは同日、式典が開かれ、修復された美術品などが大統領府に引き渡された。ルラ・ダシルバ大統領は式典で「民主主義を守るために一切の妥協はしない。誰もが犯した罪を償うことになる」と強調した。
最高裁によると、襲撃に関与したとしてこれまでに898人が刑事責任を問われ、公共財損壊などの罪で371人が有罪判決を受けた。122人は隣国アルゼンチンなどに逃亡している。