中正記念堂の儀仗隊、形式変更後初のパフォーマンス 44年の伝統に変化/台湾
(台北中央社)台北市の中正記念堂で行われている国軍儀隊(儀仗隊)によるパフォーマンスは15日から記念堂前の「民主大道」で行進する形式に変更された。1980年の記念堂完成以来44年にわたり、蒋介石初代総統の銅像が設置されているホールで立哨と交代儀式が行われてきた。同日午前9時、新形式による初回のパフォーマンスが行われ、国内外の観光客らがその様子を見届けた。 中正記念堂は国民党元トップでもある蒋介石氏の顕彰を目的に建てられた施設。記念堂を管轄する文化部(文化省)は、国民党独裁期における人権侵害やその結果の真相究明を目指して民進党政権が進める「移行期の正義」の一環として、銅像ホールでの国軍儀隊の立哨などを取りやめることを決めた。 14日午後5時には銅像ホールで最後となる交代儀式が行われた。一連のパフォーマンスが終わると、一目見ようと集まった数百人の人々から拍手が起こった。「中華民国万歳」の声を上げる人もいた。 新形式では、儀仗隊は3人一組で記念堂1階の左右の門をそれぞれ出発し、屋外を記念堂に沿って民主大道まで行進。その場で訓練の成果を披露し、終了後は立哨を行わずそのまま待機室に戻る。毎日午前9時から午後5時まで、毎時ちょうどに開始。1回あたりの所要時間は約15分間で、雨天時は行わない。 屋外での実施に当たり、一部から儀仗兵の熱中症を心配する声が上がっている。国防部(国防省)はこれに対し、儀仗兵らは暑さに耐える訓練を行っていると説明。パフォーマンス前には上官が儀仗兵の体調を確認することになっているため、炎天下での勤務でも心配ないとした。 (游凱翔/編集:田中宏樹)