【卓球】T男子プレーオフで優勝した木下マイスター東京の恐るべき16歳。松島輝空がMVP
張本を擁する琉球が敗れ、世界トップクラスを揃えた木下マイスターが2年ぶりの優勝
6シーズン目を迎えた卓球のTリーグ。男子のプレーオフ(2023~24)が東京の代々木第二体育館で3月22日・23日・24日に開催され、男子は木下マイスター東京が決勝で岡山リベッツを3-1で破り、2年ぶり4度目の優勝を果たした。全日本チャンピオンの張本智和(智和企画)がプレーする琉球アスティーダは岡山にセミファイナルで敗れた。 最終日のメインイベントは女子のファイナル。知名度の高い選手が多く、観客数も女子ファイナルのほうが多いという「女性上位」にも見えてしまう卓球リーグだが、男子の迫力あるプレーが観客を魅了した。 <卓球Tリーグ男子セミファイナル> 岡山リベッツ 3-1 琉球アスティーダ 丹羽/ヤン6、4 ジョ/シュウ◯ ◯ハオ・シュアイ-3、7、-9、5、8ジョ・シンコウ ◯ヤン・アン8、8、9 張本智和 ◯吉山僚一 8、10、ー6、6吉村真陽 *観客数1157人 ・・・・・・・・・・・・・・・・ <卓球Tリーグ男子ファイナル> 木下マイスター東京 3-1 岡山リベッツ 篠塚/戸上 9、-9、-9 丹羽/ヤン◯ ◯林昀儒 -11、3、1、9 ハオ・シュアイ ◯松島輝空 7、10、-3、6ヤン・アン ◯戸上隼輔 2、8、3 吉山僚一 *観客数 2002人 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 土曜日にファイナルを迎えた男子で、木下マイスター東京が2年ぶりの優勝を果たした。その前日のセミファイナルでは張本智和(智和企画)を擁し、木下に対抗すると思われていた琉球アスティーダが岡山リベッツに敗れた。元中国代表を二人揃え、ヤン・アン(元世界ベスト8)が張本の鉄壁のブロックを撃破した。「完敗ですね。相手は予想以上にフォアで回ってきた。どのチームも実力があるし、岡山が勝ってもおかしくない」(張本)。 しかし、決勝では勢いに乗る岡山がトップのダブルスで木下マイスターに勝ったものの、その後、林昀儒、松島輝空、戸上隼輔という世界で活躍する3人がきっちり抑えた。シーズンMVPの林昀儒(チャイニーズタイペイ/リン・ユンジュ)は世界ランキング6位の実力者で、岡山のハオ・シュアイに快勝。3番の松島は2月の世界卓球・釜山大会での中国戦で敗れたものの素晴らしいプレーを見せ、世界を驚かせた16歳。張本に勝っていたヤン・アンを力でねじ伏せた。そして、戸上はパリ五輪の日本代表で、全日本選手権を2連覇した日本のトップだ。木下の3人の強さが際立った決勝だった。 「ファイナルで良いプレーを見せられたら良いなと思っていて、それが今日見せることができてよかった。今日の朝、ヤン選手とやることが決まってビデオを見ずに、自分のプレーをすること心がけました」とMVPの松島は笑顔を見せずに冷静にコメントした。 優勝を決めた木下の倉嶋洋介監督は、「琉球のほうが上がってくる確率が高いと思っていた。9割くらいそう思っていた。岡山に対しては今日の朝から対策を立てた。国際大会が多い中でスケジュールを組むのは大変でした。そういう中でも林昀儒は調整力が素晴らしかった。3番の松島も『ヤン・アンならいける気がする』と言っていた。彼の大物感が出た試合、成長しているなと感じました」と試合後に語った。 木下マイスターの選手層は厚く、シーズンはじめにはあまり出番のなかった松島だったが、昨秋から急激に力をつけ、世界ランキングを33位まで上げ、そして今シーズン最後の試合で、松島の未来を象徴するような試合を見せた。
卓球王国 今野昇