最近政治的反対派に銃撃されて生還したスロバキアのフィツォ首相が２９日に訪韓し「政治指導者は極端主義から社会を保護する必要がある」と明らかにした。 フィツォ首相はこの日から３日間の日程で韓国を訪れ、３０日に尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領と会談する。フィツォ首相は訪韓に先立ち中央日報と事前書面インタビューに答えた。 フィツォ首相は「最近欧州議会選挙と米国大統領選挙局面など民主主義世界で社会の二極化が深まっており、スロバキアも例外ではない。政治的急進主義を抑止する最も良い方法はそれぞれ異なる集団間の共同利害を構築し敵対感を減らす政策を追求すること」と明らかにした。 続けて「与野党の指導者らと市民は社会を破壊的衝動から抜け出すようにすると同時に誤った情報と有害な理念、極端主義から保護する役割をしなければならない。暴力が政治的・社会的議論において立つ場所があってはならない」と強調した。 フィツォ首相は５月１５日にスロバキア中部の都市ハンドロバで支持者と会っていたところ近距離から銃撃された。彼の政治的見解に不満を抱いた反対派から胸部と腹部に最小４発を浴び重篤な状態に陥ったが７月には業務に復帰した。 左派・民族主義性向のフィツォ首相は２００６～２０１０年と２０１２～２０１８年の２度にわたり執権し、さらに昨年９月の総選挙でも勝利した。盧武鉉（ノ・ムヒョン）政権時代の２００７年１０月に訪韓してからスロバキア首相が訪韓したのは１７年ぶりだ。 フィツォ首相は今回の訪韓議題と関連し「スロバキアと韓国は相互につながる安全保障問題を共有している。サイバー防衛のような分野でセキュリティインフラを強化しデジタル時代の脅威に対処するため韓国のような新しいパートナーシップは必須」と強調した。 彼は「原子力分野の協力を韓国との２国間対話に含め両国の関係を増進することを期待する」と言及した。スロバキア政府は５月にヤスロフスケ・ボフニチェ原発団地に５号基となる１２０万キロワットの原発を新たに建設する計画を承認した。原発はスロバキアのエネルギー源の６１％を占めると首相は付け加えた。 これと関連してフィツォ首相は「スロバキア政府は核燃料・技術供給の多角化を政治的に支持し新たなパートナーシップに開かれている。われわれは韓国を政治的・経済的パートナーとして高く評価し相互利益になる投資をすることを期待する」と話した。欧州諸国が最近韓国製武器を購入している傾向と関連しては「スロバキアも確実に関心がある」として原則的な水準で答えた。 フィツォ首相は選挙期間中にロシアとウクライナの戦争と関連しウクライナに対する軍事支援に反対する立場を明らかにした。このため西側メディアは彼をハンガリーのオルバン首相とともに親ロ反米性向と分類するが、彼は今月初めに「スロバキアは親ＥＵ・ＮＡＴＯ対外政策を支持する」と宣言した。 フィツォ首相はただ、朝ロ軍事協力と関連しては「弾道ミサイル、武器、あるいは関連資源を北朝鮮から、あるいは北朝鮮に移転するのは国連安保理決議案違反」と答えた。彼は「これは韓半島の平和定着に向けた外交努力を阻害すること」ともした。 フィツォ首相は尹錫悦政権の「８・１５統一ドクトリン」に対しては、「社会主義から資本主義体制に転換した経験があるスロバキアも韓半島統一に寄与できる平和的措置を理解し歓迎する」と評価した。 続けて「韓半島は物理的・理念的分裂により複雑な挑戦に直面しているが、現在の韓国が見せるように民主主義と自由は繁栄の同義語。北朝鮮とあらゆる次元の対話と外交交渉の努力を継続する必要がある」と強調した。