尹錫悦大統領の逮捕間近…警護処を無力化する圧倒的な警察力投入の態勢
内乱罪の容疑者、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の逮捕状を再交付された共助捜査本部が、官邸への進入と身柄確保案を検討するなど、尹大統領の2回目の逮捕状執行が秒読みに入った。高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の捜査管轄を問題視している尹大統領側は「起訴するか、事前拘束令状を請求すべき」だと反発しており、尹大統領の支持者たちはソウル漢南洞(ハンナムドン)の官邸前に再び集結した。 公捜処は8日、警察庁国家捜査本部(国捜本)と逮捕状の細部執行計画作りに入った。公捜処の関係者はこの日、ハンギョレに「捜査チームが逮捕状の執行に向けた具体的な案と役割をめぐり国捜本と協議を進めている」と語った。3日に逮捕状の執行に失敗した公捜処は、7日にソウル西部地裁に逮捕状を再請求し、令状が発付された。以前に発行された逮捕状は有効期間が7日間だったが、公捜処は今回の令状の有効期間については口を閉ざした。公捜処の関係者は「令状の期限が分かれば、相手がその時まで持ちこたえれば良いと考える場合もあるため、明らかにすることはできない」と話した。公捜処は、尹大統領の逮捕状の再執行に投入する人数を1回目(公捜処30人、国捜本120人)より倍に増やし、警護処の物理的脅威に対応するため警察特攻隊を投入する案を検討しているという。共助本部内外では、バスや鉄条網などで封鎖された通路を突破するため、警察特攻隊の装甲車とヘリコプターを利用して内部に進入する方法も取り上げられている。 尹大統領側は、2回目の逮捕状の執行が迫ると強く反発した。尹大統領の弁護団は同日、ソウル瑞草区の韓国カンファレンスセンターで記者会見を行い「逮捕状によって進められる捜査には応じられないという立場に変わりはない」としたうえで、「起訴するか、ソウル中央地裁に事前拘束令状を請求すれば、裁判所の裁判には応じる」と明らかにした。 これに対し、公捜処の関係者は「法と原則に則って捜査を進めることには変わりがない」と語った。尹大統領側の反発にかかわらず逮捕状を執行するという意味だ。逮捕対象である尹大統領がすでに官邸を抜け出したという逃走説も持ち上がったが、この日の午後12時53分頃、オーマイニュースのカメラには尹大統領とみられる人物が3、4人の男性と共に官邸進入路に出て、あちこちを指さしながら何かを指示する場面が映っていた。 尹大統領の逮捕が失敗に終わってから、しばらく静かだった官邸の前には、再び尹大統領の支持者たちが集まり始めた。この日午後2時頃から漢南洞のルター教会前で開かれた尹大統領弾劾反対集会では、星条旗と太極旗を持った数千人の尹大統領の支持者たちが「大統領を守ろう」、「弾劾無効」等のスローガンを叫んだ。 「尹錫悦即時退陣・社会大改革非常行動」(非常行動)は、ソウル鍾路区(チョンノグ)の政府庁舎前で記者会見を開き、警護処の逮捕状執行妨害を幇助(ほうじょ)しているチェ・サンモク大統領権限代行副首相兼企画財政部長官に対し、「公権力に対し実弾を発砲するなどを企てた警護処に対する黙認と支援をやめ、パク・ジョンジュン警護処長と幹部を解任すべきだ」と求めた。 カン・ジェグ、ペ・ジヒョン、イム・ジェヒ、パク・コウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )