キャリー取引に「夢中」のトレーダー、円安巡り日本当局との対決迫る
しかし、トレーダーがすでに利上げを想定しているため、日銀が来月、タカ派的なシグナルを発したとしても、円安を止めるには不十分かもしれない。
ストーンXファイナンシャルの為替トレーダー、呉明賾氏(シンガポール在勤)は「市場の勢いに照らして、日銀が何を言っても不十分で遅過ぎる可能性が高く、キャリートレードの需要は円ショートを促す」との見方を示し、「ドル・円のリスクは介入前水準へのドル高へと傾いている」と話した。
介入リスク
円安がキャリートレードのリターンを押し上げていることから、投資家は日銀が来月、円安を食い止めようとするかどうかに注目している。
市場では10bpの利上げの確率は28%とどまっており、キャリートレーダーは日銀が円を支える他の政策手段を調整するかどうか注視している。
日銀の「植田和男総裁は、市場の予想よりハト派的な発言にならないよう、慎重に言葉を選ぶだろう」とラボバンクのFX戦略責任者ジェーン・フォーリー氏(ロンドン在勤)は言う。
「植田総裁と財務省は、これ以上の介入が必要ないことを望んでいるだろうが、日本の経済データが軟調である限り、また米国のデータが底堅さを示すものである限り、これは保証できない」と同氏は述べた。
原題:Yen Showdown Looms as Traders ‘Obsessed’ With Carry Ramp Up Bets(抜粋)
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David Finnerty, Ruth Carson