日向坂46、加藤史帆・東村芽依ら4人の卒業シングルで12作連続首位 「絶対的第六感」が再確認させる原点
<CD Chart Focus> 参考:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2024-09-30/ 【ライブ写真】日向坂46初主催フェス『ひなたフェス 2024』の模様(14枚) 加藤史帆、東村芽依、丹生明里、濱岸ひよりが卒業することを8月6日に発表した日向坂46。特に加藤史帆、丹生明里には取材したこともあり、寂しくなります。4人は、9月18日にリリースされた12thシングル『絶対的第六感』の活動をもって卒業することになっており、その『絶対的第六感』が2024年9月30日付(9月24日発表)のオリコン週間シングルランキングで1位を獲得したことは、せめてものはなむけです。『絶対的第六感』によって、日向坂46名義による2019年の1stシングル『キュン』から12作連続の首位獲得となりました(※1)。 そのタイトル曲である「絶対的第六感」は、憂いのあるメロディとそれを歌い上げるボーカルとともに幕を開け、開始20秒前後で間奏のピアノがサルサを刻みます。そして、その間奏ではシンガロングも。Aメロのサウンドは比較的シンプルで、ベースの動きはかなり激しいものの、それを感じさせないことも特徴的です。Bメロになってコーラスが響き、サビではストリングスがメロディの持つ憂いを引き立たせます。1分30秒すぎのパーカッションにもまたラテンの香りが。 こうしたAメロ、Bメロ、サビの流れを2回繰り返したのちに、サウンドはストリングスとドラムのキックの存在感が大きい間奏へと進み、再びサビへ。シンガロングのパートが序盤、中盤、終盤に出てくる構造です。最後を締め括るのも、ラテンのピアノとパーカッション。 「絶対的第六感」は、ドラムやパーカッションが派手に鳴る楽曲ではないのですが、そのサウンドはドラムとベースを中心としてかなりリズムを重視した構造で、ストリングスが全編に登場するわけではないがゆえに、メンバーのボーカルが生々しく響くという側面もあります。そして、3分40秒という簡潔さも光ります。 作編曲は、乃木坂46の「シンクロニシティ」や欅坂46の「風に吹かれても」も手掛けたシライシ紗トリ。今回の「絶対的第六感」では、音数の引き算を感じさせる匠の技が光ります。ラテンの要素もあり、個人的な趣味としてはもっとそちらに傾斜してほしかったところですが、それを前面に押し出さないなど、現在の日向坂46のチューニング感覚がわかるサウンドでもあります。むしろ、「キュン」と聴き比べてもメロディの強さは引けをとっておらず、メロディのキャッチーさや曲調の方向性が、日向坂46の原点を再確認させる楽曲になっているのが「絶対的第六感」です。 ※1:https://www.oricon.co.jp/news/2346189/
宗像明将