「見せつけたかった。まだいけるよ、って」ソフトバンク大津亮介 勝ち負けつかずとも「悔しさをぶつけられた」1軍復帰戦
ソフトバンクの選手が、今シーズンを振り返る年末恒例のプレーバック企画「鷹戦士あのプレー」を今年も「西スポWEB OTTO!(おっと)」でお届けします。 ■「あの小さかった真凜ちゃんが…」秋山幸二さん長女が花嫁姿【写真】 第3回は先発挑戦1年目でチーム5位タイの7勝をマークした大津亮介投手(25)が登場。印象的な試合に挙げたのは、白星をつかんだ試合ではなく、勝ち負けのつかなかった9月15日のオリックス戦(京セラドーム大阪)でした。 ◇ ◇ ◇ 大津にとっては、是が非でも結果を残したいマウンドだった。「悔しさとか1軍の舞台で投げられる楽しみを…。あと見せつけたかった。まだいけるよって」。何が何でも抑えることを誓って臨んだ裏には、苦しんだ2カ月間があった。 開幕ローテーション入りを果たすと、6月までに6勝をマークするなど上々の先発デビューを飾った。しかし、そこから6戦4敗と急失速。8月14日の西武戦(ベルーナドーム)で5回4失点に終わり、2軍再調整が決まった。 筑後のファーム施設での調整期間でひとつ決めごとがあった。「流されないようにしようと。上でやってきたことを下でも一緒にしよう」。再調整を言い渡された原因を一から見つめ直したり、新たな取り組みをしたりするのではなく、これまでの自分を信じ続けた。1軍で投げることだけを一心に調整を続け、1カ月後、再び出番が回ってきた。 久々の1軍戦で投げ合う相手は、エース宮城大弥だった。最初は面食らったが、実力を示すにはもってこいの相手だと前を向いた。「余計気合が入りましたよ。まじか、と思いましたけどね」。試合は投手戦になった。初回、2回と続けて得点圏に走者を許すも、無失点。3回以降は8回2死まで一人の走者も許さず、8回無失点。快投だった。「悔しさを全部ぶつけられました」 気持ちが入っている分、試合前のブルペンから冷静に行くことに努めた。「(感情は)内に潜めていたと思います」。前回8回を投げきった6月22日のロッテ戦(みずほペイペイドーム)では、三者連続三振でほえるなど「感情むき出しでいった試合」(大津)とは対照的だった。 来季も先発に挑戦し、1年間投げ抜いた成果として2桁勝利を目指す。上沢や上茶谷が加入し、先発陣争いはさらに激しくなるが負けるつもりはない。今季終盤につかんだ確かな手応えを、来季の飛躍につなげる。(鬼塚淳乃介) 【#OTTOソフトバンク情報】 ▼「やっぱり、あの四球ですかね」今宮健太が振り返る「あのプレー」▼
西日本新聞社