NPOと連携する企業は8割に、さらなる拡大へ信頼性が課題:企業担当者への調査で明らかに
記事のポイント①NPOと連携する企業は8割超、さらなる拡大へ「信頼性」がカギとなっている②JCNEの調査では企業がNPOと連携する際に第三者認証を「重視する」が6割に③第三者認証を取得している場合、企業の82.5%が「NPO連携を促進」と回答した
経団連の調査でNPOと連携する企業が8割超に達するなかで、さらなる拡大に向けてはNPOの「信頼性」がカギとなっている。日本非営利組織評価センター(JCNE、東京・港)の調査では、信頼性向上に寄与するものとして「第三者認証」を重視する傾向が強くなっていることがわかった。第三者認証を重視する企業は6割に達し、さらに認証を取得していると企業の82.5%が「NPO連携を促進」と回答した。(オルタナ編集部=萩原 哲郎)
JCNEの調査では、「継続調査」として18~79歳までの男女3000人にNPOへの認知や信頼と寄付の関係性を聞くとともに、「企業人調査」ではCSR・サステナ担当者500人を対象に企業がNPOと連携する際に、NPOの信頼性を判断する際に重視する要素などについて聞いた。企業人調査は今年度初めて実施した。 経団連の「社会貢献活動に関するアンケート調査」によれば、82%の企業がNPO/NGOと連携していると回答する。こういいった企業とNPOとの連携を拡大させていくためには、NPOの「信頼性」を向上させて第三者が認証するかがカギとなっている。 「企業人調査」では、NPOのガバナンスを中心に質問。たとえばガバナンス面で重視する項目としては「法令違反や処分を受けていない」「反社会的勢力との関係の排除」「個人情報漏えい防止などのリスク管理体制の整備」について90%超が「重視する」と回答。複数の方法でこれらについて確認する傾向もわかった。 法令処分や反社会的勢力との関係の排除は、企業同士の関係と同様だ。NPOの場合、これらに加えて信頼性を第三者機関が認証していれば「NPOとの連携が促進される」との回答が82.5%にのぼった。 こういった第三者認証によって信頼性が向上しているのは、「継続調査」からも明らかだ。寄付先を選ぶ際に、こういった第三者認証などがあることを約6割の人が「重視する」と答えた。 これらの調査からJCNEは、企業がNPOと連携する際に信頼されるには「法令遵守に加えて、リスク管理、経理、成果報告などをしっかりできる組織体制を整え、信頼性を向上させることが求められる」と指摘。そのうえで信頼性を向上させる手段として「第三者認証への期待が伺える結果」となったとした。