「Apple Watch」日本の医療現場でも活用が進む、ヘルスケア担当役員が語る「今後起きる進化」
Apple Watchには、加速度センサーのほかに、心拍センサー、心電図、血中酸素といった、心臓を中心とした体の状態を検出するためのセンサーやアプリが組み込まれている。 これらのデータは、心拍数や心電図のアプリ、血中酸素ウェルネスアプリを通じて、ユーザーが好きなときにいつでも取得することができるほか、心拍数や血中酸素濃度については、手首に装着していれば、定期的に計測してくれる。 そのため、頻脈や徐脈など、病院でいざ検査しようともなかなかデータが採りにくい心房細動の兆候を察知したり、日常的な心電図の計測で不整脈のデータを記録するといった成果を挙げている。
■正確な健康情報を伝えるにはどうすればいいか 小さなデバイスの中に複数の異なるセンサーが備わっていることで、より多くを知ることができる。例えば前述の心拍センサーと、エクササイズ機能等で使われるGPSを組み合わせることで、心肺機能レベルの低下や改善を通知できるようになった。 こうした新しい知見や発見は、医師でもあるデサイ氏にとっても、科学的な見地から、非常にわくわくするものだったという。 「私たちの健康に関わる機能への情熱は、心臓の健康について追求するにつれて、強くなっていきました。医療業界や医師たち、また学術的な専門知識を大切にしながら、ユーザーに伝えるデータが科学的に正確であることを、確認する調査を行っており、研究を積み重ねています」(デザイ氏)
アップルはこれまで、スタンフォード大学医学部と心臓に関する研究をしてきた。ここでは、心房細動の通知を行う際に、それがどれくらい正確で、どの頻度で通知されるのかが研究されてきた。またハーバード大学とは女性の健康に関する研究、ミシガン大学とは聴覚に関する研究を進めている。 いずれも、Apple Watchを通じて通知が行われる機能として実装されており、これの妥当性や必要性、通知の頻度、そして誤った通知やメッセージをユーザーに送っていないかを検証しているという。