パリオリンピックでルーブル美術館の来館者が激減。入場者数世界一の維持なるか
8月11日に閉幕したパリオリンピックの期間中、ヴェルサイユ宮殿やエッフェル塔前などに作られた競技会場には大勢の観戦客が詰めかけた。その一方、世界一の来場者数を誇るルーブル美術館では逆の現象が起きていた。 ルーブル美術館によると、7月27日から8月11日の入場者数は前年同期比で22%減。週間で33万1759人、1日平均では2万3,644人にまで落ち込んだ。さらに、開会式準備のため厳重な警備体制が敷かれた7月15日から26日の入場者は16万6604人で、前年同期比45%減。開会式が行われた26日と前日の25日に休館となったことも大幅減の要因となった。 入場者数の落ち込みについて、同美術館の広報担当者は声明でこう述べている。 「オリンピック開会式前の9日間、当局が設定したセキュリティエリアにルーブルも含まれたため、入場者数は大きな影響を受けました。セーヌ河岸への立ち入りが制限され、ほぼ全ての橋、メトロおよびRER(高速郊外鉄道)の一部の駅が閉鎖されたのです」 ルーブル美術館は、今年1月から入場料を17ユーロ(2700円)から22ユーロ(約3500円)に値上げした。2017年以来となる値上げは、特定の条件に該当する場合の無料入場プログラムや90%増にもなったエネルギーコストに対応するためとされている。また、ローランス・デ・カール館長が打ち出した「快適な鑑賞」のための入場制限の一環でもある。 ルーブル美術館は2023年に890万人の来館者を記録し、来場者数世界一の美術館に輝いたが、今年初めから現在までの入場者数は500万人強で、前年同期比4%減となっている。(翻訳:石井佳子)
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