近隣の島国コモロ、懸命の支援 サイクロン直撃の仏領マヨットに
【モロニ共同】アフリカ東部のインド洋に浮かぶフランス海外県マヨットを強力なサイクロンが直撃してから28日で2週間となった。「水も電気もなく生きられるのか」。人的交流が深い近隣の島しょ国コモロではマヨットを気遣う声が絶えず、物資搬送などの支援活動に懸命となっている。 島民同士の結婚や移住に加え、コモロからマヨットへの不法移民は約10万人とも言われる。サイクロンではこれらの人々の仮設住居が大きな被害を受けた。 27日にコモロの首都モロニで取材に応じた会社経営シティ・シハビディンさん(58)は「困った時に助けるのは当然だ」と強調する。2022年の1人当たり国民総所得が1610ドル(約25万円)のコモロで募金に着手し、既に約6万4千ドルが集まったという。 マヨットに住む親族数十人も被災し、義兄のアブ・シハビさんは約10日間音信不通になった。「直撃前の電話で『たいしたことはない』と話したので必死に避難を促した」。シハビディンさんは「まだ支援が足りない。世界は惨状を知るべきだ」と語気を強めた。