ウクライナの戦争映画「ザ・エクスチェンジ」監督が製作経緯を明かすインタビュー到着
ウクライナ映画「ザ・エクスチェンジ」より、監督のボロディミル・ハルチェンコ・クリコフスキーのインタビューコメントが到着した。 【動画】ウクライナ映画「ザ・エクスチェンジ」セルヒー・ボルデニュクによるコメント映像 2014年に始まったロシアのウクライナ侵攻を題材に実話から着想を得て製作された本作。ロシアとウクライナの間で行われた捕虜交換によって帰国し、家族と再会を果たした人々の物語が描かれる。 クリコフスキーは本作を製作した経緯について、「ロシアがウクライナのクリミア、ウクライナ東部の一部を支配したあとに、親が捕虜となった子供を自力で解放しようとしたケースは数えきれないほどあります」と回想。「息子が捕虜のまま亡くなったことを知った父親が、ほかの捕虜となった見知らぬ子供の身代金を払ったというケースもありました」と振り返る。そしてこの事態が自身にとっても、現在ウクライナ軍に所属している脚本家ヴラド・ドゥドコにとっても記憶に残る出来事であり、本作の物語におけるベースになっていることを明かした。 主演にヴィチェスラフ・ドヴジェンコを起用することは脚本の段階から計画されていたと打ち明けるクリコフスキーは、製作においてマイケル・チミノの監督作「ディア・ハンター」を参考にしたと言及。「学生時代の私に強烈な印象を残しました。まったく違う映画なのに、なぜかこの脚本を書くときに彼のことをずっと思い出していましたね」と述懐する。本作のポストプロダクションの最中にはVFXプロデューサーと彼の家族がブチャの占領に巻き込まれ、爆撃と停電によって完成が妨げられたという。 本作が日本で公開されることについて、クリコフスキーは「日本の観客の皆さんには、私たちウクライナ人に起こったような出来事が決して現実では起こらないことを願っています。映画の中だけでこのような物語を観て、体験してほしいと思います」とコメント。加えて「どうかウクライナを応援し続けていただきたいです。私たちは共通した普遍的な価値観のために戦っているので」と呼びかけた。 あわせてキャスト・スタッフのコメント映像がYouTubeで公開。撮影監督のセルヒー・ボルデニュク、キャストのヴラディスラフ・マムチュール、ドミトロ・リナルトビッチによる日本の観客に向けたメッセージが収められている。 「ザ・エクスチェンジ」は3月29日より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。 (c)LLC “COMPANY “2016”, 2022