<春闘>ベア「勝ち組」は? 主要企業の回答まとめ
3月12日に春闘の集中回答日がありました。春闘は労働者(組合)が会社側に給料の引き上げなど待遇をよくしてもらうために行う交渉です。毎年3月初めに、まず自動車や電機、鉄鋼などの大手企業の組合が会社側に要望を出し、その年の賃金がどう変わるかを主導します。この要望に対して会社側が回答したのが12日でした。今年の春闘は、安倍政権が企業に基本給のベースアップ(ベア)を求めるなど、アベノミクスで回復傾向にあるとされる企業の業績が給料アップにどう反映されるかで注目を集めまました。では、大手企業の回答はどのようなものだったのでしょうか。
「勝ち組」は?
春闘の“勝ち組”となったのは、やはり自動車業界です。 春闘全体をリードするトヨタは、組合が月4000円のベアを要求したのに対して、2000年代以降では最高となる2700円を回答しました。定期昇給にあたる制度維持分の7300円を合わせると1万円の給料アップで、1万円もの上乗せは93年以来、21年ぶりとのことです。日産自動車も満額回答となる3500円。日産が組合の要求に満額回答するのは08年以来、6年ぶりのことです。ホンダと三菱自動車は組合の要求を下回ったものの、ベアは2200円、2000円とそれぞれ回答しています。三菱自動車は業績低迷が続いていましたが、14年ぶりにベアを実施しました。 電機や鉄鋼業界でもベア回答が相次ぎました。日立製作所、東芝、パナソニック、富士通、NECの電機大手6社は、組合の統一要求額の4000円には届きませんでしたが、月2000円のベアを行うとそろって回答しました。これは1998年の1500円を大きく上回り、いまの交渉方式になってからは最高となる額です。新日鉄住金など鉄鋼業界の大手2社は、今年と来年の2年間に1000円ずつ、合計2000円のベアを実施すると回答。新日鉄住金のベアも2000年以来、14年ぶりとなります。流通業界もコンビニ各社がベアを行うと回答しました。ローソンは組合の要求通りのベア3000円と回答、12年ぶりにベアを実施します。ファミリーマートも満額回答の5000円、セブン&アイホールディングスは2031円で、それぞれベアを行うとしてます。