プラモで作った人も多い!? 伝説のF1マシン“6輪タイレル” 唯一無二の「P34」がオークションに登場! 驚きの落札価格とは
モータースポーツ史上に残る名(迷)車!? ティレル「P34」の落札金額は
F1(フォーミュラ・ワン)はすでに90年以上が経過している世界最高峰のモータースポーツですが、そのF1史上の中でもっともユニークなマシンがティレル(タイレル)が開発した「P34」です。 【画像】超カッコイイ!「6輪タイレル」ことタイレル「P34」の画像を見る(23枚)
P34は1976年のスペインGPに登場し、小径のフロントタイヤ4輪、リアタイヤ2輪の合計6輪をもつ前例のないF1マシンとして大きな話題となりました。 タイヤサイズも当時の通常サイズである13インチから10インチまで小径化することで、インパクトも絶大なマシンといえるでしょう。 重量コストがかさむ6輪化を採用したのには理由があります。当時のF1マシンのほとんどが共通のパワートレインとギアボックスを使用していたということもあり、ティレルは「空力」に注目しました。 P34では大型のフロントウイングに隠れるように小径フロントホイールを収めることで空気抵抗の削減を目指します。 しかし、このままだとフロントグリップが低下するので、接地面積拡大のために考案されたのがフロントホイールの4輪化です。 もちろん、正確なマシンコントロールができるように、ステアリングコラムを前方のフロントホイールに取り付け、後方のフロントホイールはベルクランクシステムで舵角を調整する方式を採用しました。 机上論では数多くのメリットを享受できるはずでしたが、実際には多くのデメリットに悩まされます。 まず、タイヤを小径化したことで回転数が増加することから、タイヤのライフサイクルが短くなります。 また、フロント4輪化のブレーキ性能は目覚ましいものがありましたが、同時に熱対策に苦労しました。 ほかにも6輪走行はセッティングが難しく、安定した走行とはかけ離れたものになります。 そのためティレルP34は1977年に開発を中止、伝説の6輪F1マシンはわずか1年、2シーズンで姿を消すことになります。
元F1チャンピオン、ジョディ・シェクター氏のコレクション
しかし、インパクトの大きいティレルP34はF1マシンのなかでも注目度が高く、イベントなどで度々登場するほどの人気ぶりでした。