ポイント差はわずか。熾烈を極めるJ1残留争いに福西崇史「下位チームにも勝てる力があり、行方をわからなくしている」
――その柏は勝ち点39で17位。磐田とは残りが1試合少なく、勝ち点4ポイント差です。 福西 接戦を粘り強く引き分けたり、横浜F・マリノス戦では勝ち切ったりとしていましたが、浦和レッズ戦、アビスパ福岡戦ではその接戦に敗れて2連敗。粘り切れなくなってきました。 ただ、ベースの守備は整ってきて、その守備でしっかりと跳ね返し、前線の細谷真大、マテウス・サヴィオというタレントで点が取れるか。残り3試合も接戦になってくると思いますが、柏がそこをどれだけものにできるかが、この残留争いの行方を大きく左右すると思います。その意味で浦和戦に0-1で敗れたのはかなり痛かったですね。 ■残留争いの行方を左右する新潟・柏の直接対決 ――18位で降格圏の磐田はいかがでしょうか? 福西 第33節の広島戦に敗れたものの善戦をして、次のC大阪で終了間際のPKを川島永嗣が止めて勝ち切れたという流れは悪くなかったと思います。ただ、前節のヴィッセル神戸戦には力負けしました。 広島戦から3バックに変更して、戦い方の幅は広がったと思います。4バックでやっていたときは、サイドの絞りが遅れたりと、中途半端になってしまうことが多かったですよね。今は中央が3枚になったことでカバーリングが効くようになって安定感が増したと思います。 割り切って守ることができるようになって、松原后らサイドの選手が思い切って攻撃に出ていけているし、ジャーメイン良を軸にジョルディ・クルークスが加入したことで前線に動きも出てきました。 ――新潟や柏よりも残り試合が1つ多いわけですが、この4試合で大事なことは? 福西 まずは守備のベースを失わないこと。そのうえで攻撃のクオリティをどう発揮するか。神戸戦は無得点でしたが、直近では点が取れていないわけではないので、そこを良い守備からどう生かすかですね。 次節がガンバ大阪戦、その次が横浜FM戦。どちらも前線に強力なタレントがいるチームなので、チーム全体でどれだけ抑えられるか。勝てればベストですが、まずは負けないことが大前提。状況によって勝ち点3を取りにいくのか、負けないことを優先するのか。そのシビアな判断も展開によっては必要になってきます。 いずれにしても新潟とは5、柏とは4差なので、決して簡単なポイント差ではありません。上2つよりも積極的に勝ちにいかなければいけない立場なので、ここからホーム3連戦というアドバンテージを生かしていきたいですね。 ――新潟と柏の直接対決がある次節は、残留争いの行方を大きく左右しますね。 福西 まさに大一番ですね。なによりも磐田がG大阪に勝つことができるか。勝てれば、新潟と柏がどんな結果になっても上と勝ち点差を縮められるので、残留争いは最後までもつれ込むんじゃないでしょうか。次節にどんなドラマが待っているのか、大いに注目したいと思います。 構成/篠 幸彦 撮影/鈴木大喜