郷土芸能の用具に最新3D技術導入 花巻の老舗染屋・小彌太
花巻市愛宕町の老舗染屋・小彌太(こやた)(小瀬川弘樹社長)が、郷土芸能の盛り上げに向けた新事業を始める。3D計測・印刷機器を導入し、用具一式を開発製造。歴史や魅力を伝える特化型メディアの運営にも乗り出す。用具職人が全国的に不足する中、熟練の染め技法と最新技術を掛け合わせ、伝統の舞の継承を後押しする。 目玉は、3Dスキャナーとプリンターを使った鹿踊りの「頭」の製造。職人技では新規製作に1週間以上を要すところ、最新技術は2日程度で完成する。作り手や資金不足で用具が更新できないと悩む芸能団体に新たな選択肢を届ける。 有力メーカーの撤退で供給不足のゴムわらじ、土産品の開発・販売にも着手。しし踊りや神楽など岩手県内の郷土芸能団体に密着する特化型メディアも立ち上げ、ウェブと紙媒体での運営を軸に構想を練っている。