成田凌×クォン・ウンビ×大谷亮平『スマホを落としただけなのに』全キャラの「結末を見届けて!」
――浦野という役を3度演じましたが、1作目では、幼少期に母親から激しい虐待を受けたことが原因で、母親と同じ長い黒髪の女性に歪んだ愛情を抱く連続殺人鬼、2作目では犯罪者の心理を的確に分析する天才的ブラックハッカーと、異なる顔を見せてきました。今回は? 【成田】1作目、2作目では浦野の内面にまで踏み込んで描かれることがなかった分、3作目でようやく彼の内面に触れることができたように思います。虐待を経験し、愛情を知らない人間とはどういうものだろうと考えながら浦野を演じていました。人とどう関わったらいいのかいまいちわからなくて、相手をかき乱すようなことをずっとやってきた。でも、彼の中にも愛情というものはあって、それがなんだかわからなかっただけなのかもしれません。今回、スミンと出会ったことで、それが愛情なのだと理解し、実際に感じることができるようになった気がしました。それに、あのラストシーンがあったおかげで自由に浦野を演じられました。 ――ラストシーンは衝撃的でしたね。 【成田】見る人によってさまざまな感じ方ができるシーンだと思います。切ないと思う人もいれば、ハッピーエンドと感じる人もいるでしょう。中田秀夫監督が「メリーバッドエンド」と表現していたのが面白いなと思いました。 ――国境を越えて仕事をすることについて、どのようにお考えですか? 【クォン・ウンビ】今回のこの貴重な経験を大事にしつつ、本業の歌手活動にも力を入れて頑張っていきたいと思っています。日韓両国でいろいろな活動をしていきたいです。 【成田】今回、クォン・ウンビさんを見て、飛び込むエネルギーの大切さを再認識しました。視野を狭めずにいろいろ挑戦したいと思います。 【大谷】僕は、何事も縁があってのことだと思っているので、縁があったら…、という感じですね。俳優として、韓国がスタート地点になりましたが、それも縁があったからだと思います。欲を出さずに目の前の仕事を一つ一つやっていけたらいいな、と思っています。 ――改めて、本作の見どころを聞かせてください。 【大谷】全てのキャラクターの結末が見どころです。緊張感が続き、最後まで飽きさせません。 【クォン・ウンビ】浦野とスミンのケミストリーをぜひ楽しんでください。彼が心を開く過程に注目していただきたいです。 【成田】「スマホを落としただけなのに」シリーズの結末を見届けてください。浦野という人間がどんな結末を迎えるのか見届けてください。 ――成田さんにとって浦野とはどんな存在ですか? 【成田】浦野は僕にとって特別な役です。この作品を通じて多くの方が僕を知ってくださったのだと感じています。映画を見ていただけたことが何よりうれしいです。