「今、ちょっといい?」仕事の中断を激減させる小さな習慣 (滝川徹 時短コンサルタント)
『細分化して片付ける30分仕事術 (滝川徹 著)』
せっかく集中して仕事に取り組んでいたのに同僚から声をかけられる。クライアントから連絡が入る。正直煩わしい「割りこみタスク」は、他人が起こす行動だから減らせないし仕方ない。そう考える人は多い。 しかし実は、ちょっとした行動・習慣を続けることで極小化できる。そう語るのは時短コンサルタントの滝川徹氏。今回は、滝川氏の著書『細分化して片付ける30分仕事術 』より割りこみタスクを極小化する秘訣の解説を、再構成してお届けします。
■︎「割りこみが好きではない」を暗に伝える方法
基本的に割りこみタスクは外部の要因によって発生するものだ。他者とのかかわりで仕事をする以上、発生頻度をゼロにすることは難しいだろう。しかし極小化することはできる。 そのひとつの方法が「私は割りこまれるのが好きではありません」というメッセージを暗に周りに伝えていくことだ。「上司やクライアントにそんなことが言えるか!」と思っただろうか。だがこれはそんなに難しいことではないのだ。いくつか私が日頃心がけていることをお伝えしよう。 ひとつは、上司や同僚から「今ちょっといいかな?」などと声をかけられたときに条件反射で「はい」と素直に応じないようにする。特にタスクに集中しているときは「急ぎでなければ、これが終わったあとでもいいですか?」と確認するようにしている。 その時点で相手が急いでいればもちろんその場で応じる。しかしこれまでの経験上、相手は大抵の場合「OK。都合がよくなったら声をかけてくれ」というリアクションが返ってくる。そうしたらとりかかっていた仕事に戻り、一段落ついてから相手に声をかけるようにしている。 この手法は地味ではあるが、効果は抜群だ。まず、声をかけられる前に取りかかっていた仕事への中断が数秒ですむので集中力を大幅に落とさずに作業に再び戻れる(少なくとも私の場合、中断の時間が長ければ長いほど集中力を取り戻すのに時間がかかる)。 次に、毎回「急ぎでなければ後でもいいか」と相手に確認していると、暗に「この人は中断されるのが嫌いなんだな」と伝えることになる。この「暗に伝えられる」というのがポイントだ。 「作業中は声をかけないでくれ」などとストレートに伝えたら「こっちだって仕事の話だよ!」と周囲に反感を買い、仕事がやりにくくなるだけだ。会社人たるものそんな波風をたてる必要はない。 「この人はそういう人なんだな」という印象程度でよいのだ。きれい好き、早口、時間に正確などと同じように「この人は割りこまれるのがあまり好きではないようだ」程度に印象づけられれば十分だ。 そのメッセージさえ伝われば、本当に急ぎでなければ相手も声をかけてこなくなる。声をかけてくる前にチャット等で「相談したいことがあるがいつなら大丈夫か」と確認が入るようになる。