ボーイング、35%賃上げ含む新労働協約で暫定合意-政府が交渉支援
(ブルームバーグ): 米ボーイングと同社最大の労働組合は米政権の支援を受け、新たな労働協約で暫定合意した。組合員3万3000人が参加し、事業運営をまひさせているストライキに終止符を打つ重要性を浮き彫りにした格好だ。
国際機械工・航空機工労組(IAM)がウェブサイトに19日掲載した発表資料によると、シアトルで夜間にまとめられた提案には、4年間で35%の賃上げ、少なくとも4%の年間賞与保証、組合員が労働協約を承認した場合に7000ドル(約105万円)の追加ボーナス支給が含まれる。組合員の投票は23日に実施される予定だ。
新労働協約が承認されれば、双方の非難応酬が相次いだ長期の行き詰まりが打開されることになる。米政権は団体交渉プロセスを支援するためスー労働長官代行をシアトルに派遣。代行は膠着(こうちゃく)状態を打開するため、労組、ケリー・オートバーグ最高経営責任者(CEO)の両方と複数回にわたって協議した。
労使双方が暫定合意を確認したことを受けてホワイトハウスは声明を発表し、「バイデン大統領は、労働者が良い結果を得るには団体交渉が最善の方法だと考えており、最終的な決定は労組組合員の判断に委ねられる」と表明した。
ストが終結すれは、8月にボーイングに入社し、業務改革を任せられたオートバーグCEOにとって弾みとなる。ボーイングが7-9月(第3四半期)決算を発表する23日に同CEOはアナリストや投資家に向けて初めて話す予定だ。
もっともボーイングと労組の暫定合意は、組合員がそれに従うことを保証するものではない。双方が支持した最初の提案が先月、投票にかけられた際には、圧倒的多数で否決された。
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その後、ボーイングは条件を2回引き上げた。1回目は30%の賃上げ、今回の提案は最初の条件より10ポイント高い水準となっている。
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