松川尚瑠輝 子役デビューから紆余曲折を経ての現在地 朝ドラ「虎に翼」衣装合わせ中に頭丸めて運開けた
NHK連続テレビ小説「虎に翼」(月~金曜、前8・00)のフィナーレが近づいている。最終回を前に再登場したのが、ヒロインの同級生で裁判官の稲垣雄二を演じる松川尚瑠輝(32)。主演の伊藤沙莉(30)とは2005年のドラマ「女王の教室」以来、19年ぶりの共演だった。今作の役作りで丸めたヘアスタイルは“開運の丸刈り頭”となって人生を導いているという。子役としてデビューし、紆余曲折を経ての現在地を聞いた。 【写真】キャラ立ちまくり! コミカルな表情を見せる松川尚瑠輝 すっかり馴染んだ丸刈り頭をなでながら、松川は「『お似合い』と言っていただける場面が多くて、よかったと思ってます。(丸めてから)事がうまく行きだしたというか、本当にそう思ってますね。いけるところまで、この髪形でいきたいと思ってます」と笑った。 学生編ではヒール的な役どころ。家庭裁判所設立準備室でヒロインと再会すると改心しており、人の良さそうな柔和な顔立ちが役にハマる。さっぱりした髪形が特徴的だが、オーディション時はパーマだったという。 衣装合わせの際、チーフ演出の梛川(なぎかわ)善郎氏が、ヒロインの同級生に丸刈り頭の生徒がほしいと提案。当時を振り返り、松川は「導かれるように(梛川氏と)パッて目が合ったんです。『オレじゃん!』って。すぐにマネジャーさんに『いけますか?』と聞いたら『いけます!』。朝、NHKに入る時はパーマで、出る時は丸刈りでした。びっくりしました」と仕上がった漫談のように回想した。 ヒロイン役の伊藤とは19年ぶりの共演。当時も同級生役だっただけに「僕は沙莉と同級生役しかできないのかもしれない」と照れ笑いする。「虎に翼」のオーディション直前に伊藤が出演していた舞台「パラサイト」を観劇しており「すぐ後にオーディションがあるって言われて『受かるならここしかない!』と思いました。それですごく気合が入りましたね」と不思議な縁を感じている。 子役としてデビューし、10代の頃にはドラマ「新・天までとどけ」シリーズや「女王の教室」などの人気作でメーンキャストを演じた。忙しい日々の中で普通の感覚が薄れ、当時について「明確に調子に乗っていました。目上の方への態度も悪くなってしまったり」と反省を口に。20歳を過ぎて子役事務所を退所。フリーとなり「うまくいかないなって鬱屈した気持ちを抱えたまま結局、大学まで行って、中途半端だったかもしれないです」と振り返る。 転機をくれたのは、現在の事務所に導いてくれた仲野太賀だった。ドラマ「生徒諸君!」(07年放送)で共演してから親交があり「僕がフリーだった22、23歳の時に『せっかく昔からやってるんだから、ちゃんとやった方がいいんじゃない?』って、ふとしたときに言ってくれて。そりゃそうだよな、次に進まないとなって、気持ちが切り替わったんです。彼がいなかったら、ここにはいなかったかもしれないですね」と感謝する。 さまざまな縁に導かれ、沈んだ俳優人生が再び上昇気配へと変調。7月期はTBSの看板枠・日曜劇場の「ブラックペアン2」にも出演した。頭を丸めてから運気が変わったと明かし「主演!ってよりは、主人公を支えたり、逆に邪魔をしたりしたいです。脇でちょこちょこ、息の長い役者になれたらなっていうのはあります」と、やはり頭をなでながら話した。 ◇松川尚瑠輝(まつかわ・なるき)1991年9月20日生まれ。東京都出身。2歳から子役として活動し、99年から「新・天までとどけ」シリーズの五男・広役を演じた。05年放送のドラマ「女王の教室」での真鍋由介役で脚光を浴びる。朝ドラは「こころ」(03年)「おひさま」(11年)に続き、「虎に翼」が3作目。他に大河ドラマ「いだてん」、ドラマ「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」などに出演している。