年間リターン20%のヘッジファンド、ウラン会社に賭けるーM&A期待
(ブルームバーグ): 好成績のヘッジファンド、L1キャピタルは、カナダのウラン生産会社ネクスジェン・エナジーの最近の株価下落基調が短期間で終わることに賭けている。ウラン業界の高まる魅力を受け、スタートアップ企業であるネクスジェンが買収の候補になる好位置にあるとみている。
調査会社ゼニス・インベストメント・パートナーズ集計のデータによると、豪メルボルンに拠点を置くL1キャピタルの旗艦ファンド「ロング・ショート・ファンド」は、設定以来プラス20%の年間運用成績を記録しており、オーストラリアを拠点とする戦略としてはここ10年間で最高のパフォーマンスとなっている。
2023年に53%上昇していたネクスジェン株は、今年に入り伸び悩んでいるが、L1の調査責任者アマール・ナイク氏は、ポジションを縮小したいとは考えていない。
ナイク氏はメルボルンでのインタビューで、ネクスジェンについて「戦略的な資産であり、最終的な承認が下りれば、大手企業の一角の買収候補になる可能性が非常に高い」と語った。
ウラン会社の買収活動は既に明確になり始めている。24日にはパラディン・エナジーがカナダの鉱山会社フィッション・ウラニウムを買収することで合意したと発表した。
07年創業のL1キャピタルはロングオンリー銘柄からスタートし、14年にロング・ショート・ファンドを設定した。現在の同ファンドの運用資産は約46億豪ドル(約4900億円)。最近ではアクティビスト(物言う株主)戦略で成功を収めたカタリスト・ファンドが高く評価されている。同社の全ファンドの運用資産は現時点で計約75億豪ドル。
L1は21年の早い時期にネクスジェンに最初に投資し、現在は同社の筆頭株主。同ファンドのウラン株のポジションが最近の相場変動を乗り切った一方で、銅関連のポジションは縮小したと、ナイク氏は説明した。ネクスジェンのカナダ上場株は年初来で約0.7%%上昇している。