米動画配信サービス大手ネットフリックスは１７日、第３・四半期に５１０万人の新規会員を獲得したと発表した。２０２３年７月撮影（２０２４年　ロイター/Mike Blake）

Lisa Richwine　Dawn Chmielewski [ロサンゼルス １７日 ロイター] - 米動画配信サービス大手ネットフリックスが１７日発表した第３・四半期決算は新規会員数が５１０万人と、ＬＳＥＧがまとめた市場予想の４００万人を上回った。年末のホリデーシーズンを含む第４・四半期はこれを上回る会員数の増加を見込むとした。 広告付きプランの会員が第３・四半期に増え、導入済みの国・地域では新規登録の５０％以上を広告付きが占めた。９月末の全世界の会員数は２億８３００万人弱となった。 株価は米市場引け後の時間外取引で４．８％上昇した。 １株利益は５．４０ドルと、予想の５．１２ドルを上回った。売上高営業利益率は３０％と、前年同期の２２％から上昇した。 売上高は９８億２５００万ドルと、予想の９７億６９００万ドルをやや上回った。 新規会員数は予想を上回ったが、前年同期の８７６万人を大きく下回った。 フォレスターのアナリスト、マイク・プルー氏は「ネットフリックスは表面的には全て正しい方向に進んでいる。売上高と営業利益率が増加を続け、経費は減少している」と解説。 その上で「差し引きの新規会員数が急減しているのが懸念材料だ。海外ではまだ会員数に増加の余地があるが、米国では余地がなくなっている」と指摘した。 ネットフリックスは広告付きプランについて、会員数が増えているものの、業績拡大のけん引役になるのは２０２６年以降とみている。 同社は全体の会員数の伸びが鈍る中で、新規登録数よりも売上高の伸びや利益率に注目するよう投資家に促してきた。来年には四半期ごとの会員数の公表をやめる。 第４・四半期については、新規会員数が前期を上回ると予想。具体数は示さなかった。１２月下旬には韓国のヒットドラマ「イカゲーム」のシーズン２を公開する。 また、今月に欧州の一部の国や日本で値上げを実施したのに続き、１８日にイタリアとスペインでも料金を引き上げる。 テッド・サランドス共同最高経営責任者（ＣＥＯ）は「われわれはサービスの価値をますます高めることに力を入れている」と強調した。