“ダンス集団・Number_i”としての凄みが結実した「INZM」 岸優太の飛び抜けたテクニックも浮き彫りに
Number_iが8月19日に「INZM」を配信リリースした。グループの公式SNSでは、「INZM」のダンス動画が続々とアップされている。 【写真】岸優太、トレンド入りで話題のキレキレダンス姿 「INZM」のダンスで特に印象的なのは、楽曲タイトルの“稲妻”を表すような動作だろう。指3本を前に出し、上から下、横、斜めといったように動かして、空に光る稲妻を描くような動きがサビでは何度も登場する。〈一瞬で虜さ〉の部分では人差し指を立てるので、歌詞に登場する数字も意識しているように思う。 「INZM」のコレオグラフは、「BON」と同じくKAZtheFIREが手掛けている。すでに『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)や『NHK MUSIC EXPO 2024』(NHK総合)などの音楽番組でも披露されているが、「BON」と大きく異なるのは、「INZM」はハンドマイクでのパフォーマンスである点だ。動きが限られるぶん、サビ以外は比較的自由度の高い振り付けになっている。 そんななかで、平野紫耀が〈迷ったらいつだって右左〉で左右に立つ神宮寺勇太と岸優太を指差したり、〈次のすげーステージでブチかまします∞〉で神宮寺と岸が手を合わせて“∞”を作っていたりと、歌詞を拾うような仕草がひとつのポイントだろう。〈太平洋にダンクLike aジョーダン〉ではバスケットボール選手のマイケル・ジョーダンにちなんでか、平野と神宮寺がボールを運んでシュートするような動きを見せており、〈繰り上がって123 To Goat〉の部分では「GOAT」の振り付けも繰り出される。随所に遊び心が感じられるのだ。 ある種のコミカルさも含んだダンスを経て、終盤では一気にアクセルを踏むように激しい動きへ。この変化が圧巻で、最後まで見逃せないパフォーマンスに仕上がっている。
岸優太のダンスにも注目集まったWayV&RIIZEとのコラボダンスも
そんな「INZM」も披露した先述の『NHK MUSIC EXPO 2024』の放送後には、共演者同士のコラボレーションダンス動画も公開された。Number_iは、WayV、RIIZEのメンバーとそれぞれコラボしている。 岸は、WayVのHENDERY(ヘンドリー)、XIAOJUN(シャオジュン)と一緒にWayVの「Give Me That」を披露。足は曲に合わせてリズミカルに動かしながらも、ターン後のちょっとした首の傾け方や、手を上からゆっくりと下ろす動作からは緩急が生まれ、軽やかながら上品さも感じられる。ところどころで視線を外したり、後半で音に乗るように首を揺らしたり、手の動きを入れたりすることで、しっかりと自分なりのダンスとして仕上げている。 始まるまでにHENDERYとXIAOJUNが岸にエールを送るように盛り上げる様子も、踊り終えた岸が後ろに下がってふたりを称える姿も、お互いのリスペクトが感じられて微笑ましい。そんな岸の高いダンススキルや人柄が伝わってくる動画に注目が集まり、公開直後には「岸くんのダンス」といった関連ワードがX(旧Twitter)でトレンド入りしていた。 平野はRIIZEのWONBINとコラボし、RIIZEの「Boom Boom Bass」に挑戦。今回コラボしたパートは、つま先や踵、膝の位置を器用に変えて作るダイナミックな足さばきが特徴だが、平野はこれを見事にカバー。全体を通して無駄な動きがなく、スマートに踊りこなす姿は美しいし、余裕すら感じさせる。曲のタイトルにちなんだベースを弾くようなポーズでフィニッシュするとカメラ目線で笑みを浮かべ、その姿からも踊ることを楽しんでいるのが伝わってくる。 神宮寺は、自身のプロデュース曲でもある「INZM」でコラボ。RIIZEのANTONとの動画では、笑顔で体を揺らしてお茶目にスタンバイしているかと思いきや、踊り始めると瞬時に曲の世界に染まっていくのは流石だ。首の揺らし方や手を上げた時の角度、重心を下げていく動作など、一つひとつの動きも丁寧に表現している。 一方、WayVのTENとのコラボ動画では、あえて正面を見る頻度を増やしたり、ふたりで目を合わせて笑いあったり、終始にぎやかな雰囲気でパフォーマンス。コラボ動画ならではのアレンジに、神宮寺のエンターテイナーっぷりも感じられた。 こうしたコラボ動画や「INZM」のパフォーマンスからも感じられる、Number_iのダンススキルの高さと、踊ることに対しての楽しさ。“ダンス集団・Number_i”としての凄さが今後より広まっていくことに、期待せずにはいられない。
かなざわまゆ