【カブト エクシード-2 インプレ】エッジィな斬新シールドで空力性能アップ、高速走行がより得意に
カブトのインナーバイザー付きジェット「エクシード」が2にバージョンアップし、6月から販売がスタートした。最大の特長は、風の巻き込みを和らげ、紫外線と赤外線をカットする新シールド。さらに新作の内装などで使い勝手もアップしている。早速インプレをしてみた。 【画像】カブト エクシード-2をギャラリーで見る(13枚) 文/Webikeプラス 沼尾宏明
ガッチャマン(?)なエアロシールドで快適性が向上した
春のモーターサイクルショーで初公開され、注目を浴びたカブトの「EXCEED-2」(エクシード-2)がいよいよ6月から発売された。 本作は、インナーサンバイザーを備えたジェットヘルメットのトップモデル「エクシード」の進化版だ。エクシードは、コンパクトな帽体に洗練されたデザインを採用し、空力性能、被り心地が優秀なモデル。エクシード-2ではこれを継承しながら、斬新な形状のシールドと新しい内装などで快適性を向上している。 新型のシールドは形状がとても独創的。下部が逆スラントしてから前方に伸び、サイドには溝を設ける。青みがかった色といい、個人的には往年のアニメ『科学忍者隊ガッチャマン』に出てくるヘルメットを連想してしまったが、実に斬新だ。 これはもちろんデザインだけでなく、空力特性を考慮した形状。カブトお得意の風洞実験やCFDによる空力解析や実走によって決定されている。 加えて、紫外線と赤外線を大幅にカットするテイジン社製の高機能ポリカーボネートを素材に使用。日射しを和らげ、ヘルメット内の温度上昇を抑える機能があり、ヘルメットメーカーでは唯一カブトが採用している。 内装は新たに「制菌加工」を施した。これは繊維上に発生する細菌の増殖を抑え、菌から発生する不快な臭いなども抑えられるという。さらに額や側頭部パッドの面積を拡大したほか、スピーカーホールも大型化されている。 ●価格:3万6300円~ ●サイズ:XS、S、M、L、XL ●規格:JIS
驚き、新シールドが空気のドームを形成し、巻き込み風はほぼ皆無
実際の被り心地は、後頭部を含めて頭全体を包み、特に頬部をしっかりサポートしてくれる。直接比較したわけではないが、従来のエクシードより頬部のカッチリ感が増した印象で、被り心地は軽快かつスポーティだ。 筆者が実測した重量は1555g(Lサイズ、パールホワイト)。インナーバイザーとラチェットバックルを採用したジェットとしては軽い部類だ。ちなみにエクシードは1562gだったので、わずかに軽い。 走り始めて新型シールドの効果がすぐわかった。首元に走行風が流れるのに、口元にはまるで空気のドームが形成されているように巻き込み風を感じない。これは100km/hまで速度を出すと顕著にわかるハズ。「空力解析もここまで来たか!」と思わず唸ってしまった。 従来型もウェイクスタビライザーを備え、100km/h走行時でリフト感やブレは皆無だったが、これに前方の整流効果を増す新型シールドが加わり、空力性能が一段と向上した印象。シールド自体にもブレがなく、全体的に安定感が非常に高い。高速走行中に死角確認などで首を振る動作もラクだった。なお風切り音は80km/h程度からやや目立ち始めるものの、不快なレベルではない。 換気性能に関しては、夏場だったこともあり、頭に空気の流入などは感じられなかったものの、ムレはなく、しっかり効果を発揮していると思われる。