70代で現役バリバリ!サモ・ハン『トワイライト・ウォリアーズ』谷垣健治アクション監督が語る凄み
香港映画史上歴代NO.1大ヒット(動員数・広東語映画※9月時点)を記録した『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』(2025年1月17日公開)で、アクション監督を務めた谷垣健治。劇中、泣く子も黙る黒社会の“大ボス”を演じ、今年早々73歳を迎える大御所アクションスター、サモ・ハンとのコラボはどのように作り上げたのか。 【画像】超現役!サモ・ハン『トワイライト・ウォリアーズ』フォトギャラリー 学生時代、人生初の海外旅行で訪れた香港のゴールデンハーベスト社スタジオで、憧れのサモ・ハンと記念写真を撮った思い出を持つ谷垣。その後、スタントマンとして、香港映画界入りし、『デッドヒート』(1995)、『SPL/狼よ静かに死ね』(2005)などで、ともに仕事してきたサモ・ハンは、香港映画界にとってどんな人物かと聞くと、「彼の功績のおかげで、僕たちは今、映画全般に関わることができている」という答えが返ってきた。
「一言でアクション監督と言っても、欧米と香港ではだいぶ違います。香港のアクション監督は一般的に自分でアクションを設計、カット割りし、撮影・編集、そして効果音にまで関わります。これだけ作品作りに広く関わることができるのは、サモ・ハン、そしてジャッキー・チェンの世代がこのシステムを始めてくれたおかげなんです」と笑顔で語る。
『トワイライト・ウォリアーズ』でのサモ・ハンは俳優業に徹しているが、「自分がアクション監督をやるとき、他人にあれこれ言われるのが嫌だから、役者として呼ばれた現場では何も言わないポリシーを持っているところも、サモ・ハンの凄いところ」とのこと。高齢で膝が悪いこともあり、現場では冗談半分で「膝より高い蹴りのアクションは作るなよ」と言われていた谷垣だが、足場が悪い「九龍城砦」のセットにおいて、サモ・ハンの魅力を引き出すアクションを作り上げた。
「長めの棒やダブルで刀を持ってもらうことで、『燃えよデブゴン』(1978)、『七福星』(1985)など、往年の作品を想起させるようにしたかったんです。そこには僕のファン心理も入っていますが、棒や刀は素手のアクションに比べて全身をフルに稼働させなくても大きな動きが表現できるので、役柄的にも百戦錬磨の人物なので効率的に戦うんじゃないかと思って。体力的にもちょっとだけ楽だし(笑)」と、大御所に対する気遣いもあるようだが、現役バリバリの伝説の男とともに生み出した壮絶アクションの凄さは、日本でも世代を超えて伝わるはずだ。(取材・文:くれい響)
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