悩みや弱み、打ち明けにくい男性たち プレッシャーからの解放…「素人」だから応えられること
「素人」だからこそ
相談は多く寄せられますが、清田さん自身は心理や医学の専門家ではありません。 「素人だということは忘れてはいけない。専門家でない分、決して踏み込んではならない部分がある」と意識しています。 一方で、「素人」というカジュアルさがあるからこそ、話せることもあるのでは、と考えているそうです。 「病院に行くほどではない風邪とでも表現したらいいでしょうか。あったかいものを飲んでよく寝たら治るかな、という、そんなときってありますよね。苦しさやしんどさを感じたとき、まずは誰かに話してみる。そういうことで気持ちが楽になるときもあると思うので」 素人だからこそ、「相手を知識や理論に当てはめるのではなく、とにかく話を聞いて、相手の目線に立って、相手の中にある言葉で悩みやモヤモヤをどうほぐしていけるかが大事になってくると思います」と語ります。
男性同士で「弱み」を語れる場づくり
最近は男性同士のおしゃべり会にも力を入れており、2024年4月からは高円寺の本屋とともにイベントを定期開催しています。 背景には、「多くの男性は、悩みや弱みを語りづらい」という思いがあります。 「立場や肩書きを外し、男らしさの鎧(よろい)も脱ぎ捨てた一個人として集まり、互いの話に耳を傾けながら身の上話を語り合っていく〝お茶会〟こそ、いま男性たちに最も必要なものではないか」と考えたそうです。 「多くの男性は、コミュニケーションの上で構えてしゃべってしまう」と清田さん。 「何かおもしろいことを言わなきゃ、テンポよくしゃべらなきゃ、役立つことを言わなきゃといったプレッシャーを感じていると思います。プライベートでも、仕事ではないのに自分の役割をはみ出してはいけないと考えてしまいがちです」 「『それこそがコミュニケーションだ』と思い込まされているので、そもそも『自分が友達にモヤモヤを話せなかった』という自覚すらないと思います」 イベントでは、初対面の参加者が3人のグループに分かれ、1人7分間、フリーテーマで話します。2人はとにかく耳を傾けるだけ。清田さんたちが何かをレクチャーすることはありません。 「何をしゃべったらいいのか、初めはみんな戸惑う」といいますが、徐々に自身が抱えているものやモヤモヤについて話が広がるそうです。 「新鮮な時間だった、想像より気持ちよかったと言ってくださる方が多い」と清田さんは話します。 「思いついたまま、何でもしゃべっていい時間の心地よさを感じてくれたということは、逆に言えばそのような経験が日頃からないのだと思います」 改まって誰かに相談する場ではないからこそ、対等に話をでき、自然と参加者同士の癒やしの時間につながります。 清田さんは、「僕らはその場を用意しているだけ。モヤモヤはもっと素直にもらしていいと思うんです」と話しています。 【イベント開催します!】 清田隆之さんも登壇する、withnewsの10周年イベント「【withnews10周年記念】ウェブメディア激動の10年 令和の温故知新フェス!」を、10月19日にオンラインで開催します。参加無料。 3部構成で、清田さんが臨床心理士のみたらし加奈さんと「モヤモヤのこれから」について語る第3部は、16時30分からの開催を予定しています。 清田さんたち出演者への質問も受け付けています。 【申し込み・詳細はこちら】https://withnews10th.peatix.com/