ウォール街の転職、より自由に-ただし移籍前の強制休暇は従来通り
(ブルームバーグ): 米連邦取引委員会(FTC)がウォール街の競業避止義務条項に制約を課した。だが、より高給の転職先でもっと早く働き始める道が開けたとトレーダーやマネーマネジャーが考えているとすれば、失望するかもしれない。
移籍を妨げる条項を禁止するFTCの新たな規定は、いわゆる「ガーデニングリーブ」を例外としている。
同業他社に移る前の一定期間に強制されるこの休暇は、運用担当者の取引戦略や保留中の取引に関する知識など、機密情報に接する社員に対する金融業界の契約では一般的なものとなっている。
FTCが今回公表した規定によれば、強制的なガーデニング休暇中も会社が離職者に通常の給料を支払い続ける限り、それは競業避止義務条項とは見なされない。
「従業員の職務内容や同僚、職場へのアクセスが大幅に、あるいは完全に制限されても、この従業員は引き続き雇用されている」ためだと説明している。
多くの企業が人材獲得競争を阻害しているとの懸念を強めたFTCは23日、業界内の転職を妨げる条項をほぼ全面的に禁止する提案を承認した。だが、バイデン大統領が促したこの措置は、機密情報保護の取り組みを損なうとして、すでに雇用主から成る業界団体が法的措置を講じている。
今回発表された規定は、年収が15万1164ドル(約2353万円)を超える「方針を決定する立場」の上級幹部は対象としていない。
また、銀行員はFTCの管轄外で、ヘッジファンドやプライベートエクイティー(未公開株、PE)投資会社、資産運用会社などノンバンクの従業員が対象となる。
原題:For Traders, the FTC Ban on Non-Competes Comes With Big Catches(抜粋)
--取材協力:Todd Gillespie.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Sabrina Willmer