タイの名物モールに「銀座駅」のなぜ? 「日本以上に日本らしい」“珍百景”に仰天 「すき家」「かつや」も出現
「東京メトロ」のポール
極めつけは「東京メトロ」と書かれたポール。縦書きされた路線図を確認するとなぜか豊橋から米原までの各駅の名が。「これってJR東海道線だよね?」とツッコミを入れたくなるのも無理はない。そして、その向こう側には「銀座駅」の駅舎らしきものが。こちらは「東京メトロ」で間違いない。駅前では着物とコート姿の女性の人形が何やら会話しているような様子だ。近くの看板には「世界の願い交通安全 街をきわいにレまレよラ」。「きれいにしましょう」の誤植を発見し、なぜか「お得」な気分になった。 他にも書店では日本の漫画コーナーがあり「あやかしトライアングル」「キングダム」などのタイ語翻訳コミックがズラリ。夏木マリ、中森明菜のレコードを販売している音楽ショップや、原宿の竹下通りを模したような路地には、衣料品がひしめいている。日本語で「JAPAN 日本 こううんをいのります」「OSAKA たこ焼き スナック菓子」などと書かれたどぎついギンギラなTシャツが、890バーツ(3800円)で販売されており、興味を持った欧州系の男性旅行客が値切り交渉に余念がなかった。 東京フロアではないのがやや残念だが、3階のサンフランシスコエリアにはすき家、かつや、幸楽苑、ペッパーランチ、やよい軒など日本を代表するファストフード店が大集結。ちなみに「かつや」のカツ丼は149バーツ(640円)で、日本のカツ丼(梅)より20円ほど高い。すき家の牛丼並は89バーツ(382円)、幸楽苑の中華そばは103バーツ(443円)で、こちらはそれぞれ日本より50円ほど安かった(いずれも税込み、為替レートは6月5日基準)。 奥には巨大フードコート「PIER21」があり、激安価格でタイ料理が食べられる。運営するランドハウス社のグループ会社・LHモール&ホテルが、フードコートに入っている各店舗から家賃を徴収していないためだそうだ。だから、安く提供できる。逆転の発想というか、考え方がそもそも太っ腹なのだ。そのため街中の食堂より値段は総じて2~3割ほど安く、フルーツのスムージーは市価の半額程度となる25バーツ(107円)から。猛暑の中、学校帰りの学生たちや観光客が、安くておいしい料理と涼しさを求めて大勢集まってくるので、館内は活気に満ちあふれている。日本の商業モールやデパートもこのようなアイデアをぜひ見習ってほしい。