「上沢直之のおかげで目立たず済んだ」…広島からオリックスへ”裏切り移籍”を決めた九里亜蓮の僥倖
「渡米するものとばかり……」
取得していた海外フリーエージェント権を行使後、オリックスに電撃移籍が決まった広島・九里亜蓮投手。12月25日午後に大阪市内のホテルで会見が行われる予定だ。 「ウチに見向きもしなかった」…上沢直之の移籍に対する日ハム幹部の嘆きと「有原式FA」横行の理由 「新しい場所で挑戦したいと思いました。イチから勝負していきます」 12月13日、九里はマツダスタジアムで取材に応じた。 「九里は今シーズンで3年契約を終え、11月12日には夢だった米メジャーリーグ挑戦のため海外FA権を行使、移籍先を探していました。実父はアメリカ・3Aでプレー経験がある内野手で、幼いころから海の向こうで活躍することを夢見ていた。だがメジャー球団からの評価は思ったよりも厳しかった。マイナー契約しか提示されなければ、移籍を断念するとみられていました」(球団OB) かつてはFA選手を獲得しに行くとことごとく断られ、〝お断りっクス〟と揶揄されていたオリックスだったが、近年は森友哉(29)、西川龍馬(30)など次々と他球団の主力獲得に成功している。 昨季までリーグ3連覇を達成したものの、今季はエース・山本由伸(26)がドジャースへ移籍したうえ、ケガ人が続出し、5位に沈んだオリックス。投手陣の補強は急がれていた。 「球団がまず目をつけたのはソフトバンクをFAした石川柊太(32)でした。当初は巨人、ヤクルトがライバルと噂されていましたが、ロッテも参戦。古巣を含めて5球団で獲得争いをすることになり、条件はどんどん吊り上がっていった。石川の獲得に成功したら、オリックスは九里を獲らない方針でした。そのため九里サイドには『石川のFAが落ち着くまで待ってほしい』と水面下で話をしていたといいます」(同前) しかし、石川は夫妻で在京球団志向が強かったこともあり、ロッテへの移籍を決断。オリックスは九里獲得を決意した。 「九里の妻は関西にゆかりがあり、夫妻の結婚式も大阪で行われました。そのため、結婚直後から『将来は関西でプレーするのでは』と囁くチーム関係者もいました。奥さんが関西球団を熱望していたとの情報もあります」(カープ関係者) 晴れて夫婦が望んだ地でプレーすることとなった九里。ただ、カープOBは複雑な心情を吐露する。 「カープファンや球団首脳陣は、九里が夢を追って渡米するものだとばかり思って、九里の移籍を応援しました。ところが、リーグが異なるとはいえ、国内の他球団に移籍してしまったわけですから、“裏切り”と感じる人も少なくない。九里はナイスガイですし、個人的には応援したいのですが……。九里の移籍発表と同じタイミングで、上沢直之(30)がさらに大きな“裏切り移籍”をしたことで、バッシングの嵐にならなかったことがせめてもの救いです。久里はカープにタダ同然の譲渡金しかもたらさないマイナー契約を選びませんでしたし、もしメジャー移籍が叶ったとしても、日本に戻る際はカープを選んでいたはずですから」 11年慣れ親しんだ広島を去り、大阪で活躍を誓った九里。ファンの嘆きを吹き飛ばす活躍を見せてほしい。
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