若年層の痴漢被害で初の調査 1割以上が経験 身近な被害浮き彫りに
内閣府は、若年層における痴漢被害の実態について初めて調査を行いました。回答者の10%以上が痴漢被害の経験があると答え、身近な被害であることが浮き彫りになりました。 内閣府は、2024年2月、全国に住む16歳から29歳までの若年層、およそ3万6000人を対象にオンラインで調査し、4日公表しました。報告書によりますと、公共の場所で身体を触られるなどの痴漢被害経験があると回答したのは、女性で13.6%、男性で3.6%、その他の11.2%もあわせると、10.5%に及びました。 また、初めて痴漢被害を受けた時の年齢としては、16歳から19歳が半数近くを占め15歳以下が4割近くとなりました。 被害にあった場所は、電車内が最も多く、駅の構内を合わせると70%にのぼりました。 時間帯では、通学・通勤時間帯にあたる午前6時から9時が34.5%と最も多くなっています。 内閣府は「痴漢が若年層にとって身近な被害である状況が示された」と分析しています。 一方、被害について、警察や交通機関など関係機関の職員には知らせなかったと回答した人が80%以上で、さらに、誰にも相談しなかったという人が30%以上に及び、痴漢被害の重大性が社会的に共有されているとは言い難い現状も明らかとなりました。 相談しなかった理由として「大事にしたくなかった」「心配させたくなかった」という回答が多い一方、「学校や仕事に遅れると思ったから」という回答が2割近くを占めました。 そのため、これまで文部科学省が求めてきた痴漢被害による遅刻や欠席への適切な対応や、試験に向かう途中で被害にあった場合の追試験での対応などを周知徹底し、迷わずに110番通報することを内閣府は呼び掛けています。 痴漢の被害に焦点を当てた国としての調査は今回初めてで、結果を踏まえ、学校での相談体制の強化などにもつなげていきたい考えです。
テレビ朝日報道局