スポーツの街・横浜で目指す地域と一体のバスケカルチャー~もう1つのB“群雄割拠B3リーグ”~#2 横浜エクセレンス編
トップリーグであるB1・B2への参入を目指し、日本各地で活動を続けるもう1つのB、それが“B3リーグ”です。この連載「もう1つのB“群雄割拠B3リーグ”」は、バスケットボール歴16年・ニッポン放送アナウンサーの私、内田雄基が、地元背負い上を目指すB3リーグのクラブ活動や見どころをご紹介していきます。 前回はリーグの全体像についてB3リーグ理事長・堀井幹也さんにお話を伺いましが、今回からはB3リーグに在籍する各球団・各選手に取材をしていきます。今回ご紹介するのは、私内田の地元横浜のクラブ『横浜エクセレンス』です。 エクセレンスは、2012年に『東京エクセレンス』として東京・板橋区に誕生し、2021年に本拠地を現在の神奈川県横浜市に移転した、「本拠地移転」という異例の経歴を持つクラブで、ホームアリーナは神奈川県横浜市中区にある横浜武道館。
新本拠地・横浜でのこれまでの3年間のエクセレンスの歩み・活動について、広報の瀧澤真史さん、そしてキャプテン#33の俊野達彦選手にお話を伺いました。
「“学び”を大事に、子どもたちに何か見つけて帰ってもらえるクラブにしたい」――広報・瀧澤真史さん
内田:エクセレンスは東京板橋から本拠地移転をされて3年目ですね。 瀧澤さん:移転してきて1年目は、本当に知名度がなくて大変でした。移転で精一杯で、集客や地域の為への活動が正直できていませんでした。2年目からホームタウンの横浜市中区と西区、南区を中心に地域の活動に力を入れられるようになってきましたかね。 内田:どういった活動をされてきたのですか? 瀧澤さん:最初は町の皆さんに知ってもらう為に地域の色々なイベントに出させてもらいました。時には行政と一緒にやったり、小学校への訪問をしたり。エクセレンスは、正直な所、広告費も沢山あるわけではないので、地域のプロスポーツクラブとしての“当たり前”のことを地道に積み重ねていった感じです。 内田:印象に残っている活動はありますか? 瀧澤さん:LTO活動(※)ですかね。スポーツチームのあるべき姿というか、パブリックな存在なので、そういったことで一つでも町の皆さんに恩返ししたいなと思います。 ※LTO活動とは… LEADS TO THE OCEANの略です。「海にゴミは行かせない」を合言葉に、各リーグのシーズン期間中に競技場周辺で定期開催しているごみ拾い活動のことです。 瀧澤さん:ほかに、現在週1回ペースで、アカデミーコーチを中心に小学校に訪問しています。選手が訪問することもあります。選手が行くと特に喜ばれますね。バスケットボールを通じて、体を動かしながら選手やコーチ、子ども同士が、コミュニケーションの楽しさを感じてもらえるような内容になっています。あの選手がいるなら、あのコーチがいるならまた来てもらおうと思ってもらえるように活動しています。 内田:私も横浜でミニバスのクラブに入っていたので、その時にプロの選手の訪問があったらとても刺激的で、楽しい思い出になっていただろうなと思います。 瀧澤さん:実際、横浜はミニバスのチームの数も多くて、実はもうバスケットボールは普及していると思うんです。だから小学校訪問では、バスケットに携わっていない子どもたちも楽しいと思ってくれるといいなと思っています。 内田:今日の福井ブローウィンズ戦の観客でも、小中学生が多いですね。 瀧澤さん:今年は集客にとても力を入れているのですが、子ども、親世代の方のファンの方がとても多いんです。親子で来てもらって、僕らのバスケ・チアのスクールに入ってもらうとか、グッズを買っていただいて家での話のタネにしてもらうとか、そういったことが僕らのクラブの今目指しているクラブの方向かなと思います。 内田:色々な方の生活の一部になっていきそうですね。 瀧澤さん:そうなってもらえたらうれしいですね。 内田:エクセレンスの広報としての瀧澤さんの目標はありますか? 瀧澤さん:横浜はスポーツチームがプロアマあわせて13チームがあります。バスケだとB1にいる横浜ビー・コルセアーズもそうですし、野球・サッカー・アイスホッケーなども。とてもライバルが多い地域です。観客の皆さんのスポーツへの目が肥えているなとも思いますので、他のクラブとはまた違った、エクセレンスのチームとしての特徴を出していかないといきたいですね。 内田:具体的にどういった特徴を? 瀧澤さん:子どものファンが多いので“学び”を大事にしたいと思っています。エクセレンスの試合に行けば何か一つ学べるよねとか、エクセレンスと関わると何か面白いことが起きるよねとか、何か見つけて帰れるよね、そう思ってもらえるクラブにしたいです。