6回TKOでWBCヘビー級王座統一のフューリーが「ボクサー引退」表明後にUFCヘビー級王者ガヌーとの異色マッチを電撃発表
この世界戦を前にフューリーは「これが最後だ。素晴らしい勝利を収めたら、あとはリラックスして人生を楽しむ。もう証明するものはない。100%引退する」と明言。この試合で引退することを表明していた。 この日、リング上でアナウンサーから改めて「これが最後になるのか?」と聞かれたフューリーは、こう答えた。 「愛する妻のパリスには14年間苦労をかけた。3部作(デオンテイ・ワイルダーと1分け2勝の3試合のこと)の後に、これが最後だと約束した。素晴らしい3部作を戦い、ホームのウェンブリーでも試合ができた。私はファンを背負って戦っているし、ここでイギリスすべての人を背負って戦った。これが最後といっていい。ジプシー王(自分)にとってこれが最後の幕になるのかもしれない」 プロモーターであるフランク・ウォーレン氏も「彼が終わりと言えば、これが最後だ」と、その引退発言が真実であることを伝え、フューリーは得意の「アメリカンパイ」を熱唱した。だが、なんと、その後にUFCの現役ヘビー級王者ガヌーがリングに上がってきたのだ。ボクシングルールで来春戦うというプランが浮上していた2人が、ファンに、その対戦の可能性を印象付けるどころか、マイクを向けられたフューリーは「我々のスポーツの歴史の中で、これまでに見たことのないような非常に特別な戦いになるだろう。実現すれば爆発的な戦いになる」と断言したのである。 今年1月にUFC同級暫定王者のシリル・ガーヌ(32、フランス)を判定で下した試合で負った故障を治療中のガヌーも「異なるタイプのルールを持つハイブリッドな戦いになるだろう。リングで戦うMMAグローブは少し違うものを作ってくれ」と応じた。 MMAではなく、ボクシングルールだが、通常の10オンスのボクシンググローブではなく、拳部分が薄いMMAグローブを改良したグローブを使った異色の戦いになることを示唆したのである。 ボクサーは引退。けれどファイターとしては現役続行というわけか。 フューリーには、今夏に再戦が行われるWBA、IBF、WBOのヘビー級3団体統一王者のオレクサンドル・ウシク(35、ウクライナ)と前3団体統一王者、アンソニー・ジョシュア(32、英国)の勝者との4団体統一戦への待望論がある。フューリーはとりあえずボクシングは引退した形にしておいて、ガヌーとの異色マッチを戦い、その後にボクサーとして復帰して再び4団体統一戦に乗り出そうとでも考えているのかもしれない。 いずれにしろフューリーのファイトはまだまだ続く。フューリーは、この試合で保証されていたファイトマネーの約36億円に勝利ボーナスの約5億円がプラスされ約41億円を手にすることになった。