【日本市況】債券が下落、米軟着陸期待で日銀利上げ意識-株式続伸
(ブルームバーグ): 7日の日本市場では債券が下落。9月の雇用統計を受けて米国景気のソフトランディング(軟着陸)期待が高まった。米大幅利下げ観測が後退した一方、日本銀行による追加利上げの可能性が改めて意識された。株式相場は3日続伸し、円相場は上昇した。
4日発表の米雇用統計は非農業部門雇用者数が6カ月ぶりの大幅増となり、失業率は予想外に低下した。米景気が軟着陸する確度が高まったとの見方が広がり、金利スワップ市場では11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5ポイントの利下げ確率がなくなり、0.25ポイントの織り込みも100%を下回った。
「ノーランディング」シナリオ復活、雇用統計堅調で景気過熱懸念
SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストはリポートで、日銀は追加利上げを慎重に判断する材料として米国経済の不透明感を強調しているため、米景気の軟着陸への期待が高まったことで12月や来年1月の利上げ期待は強まるとの見方を示した。
債券
債券相場は下落。米国で強い雇用統計を受けて大幅利下げ観測が後退し、日銀の年内利上げ観測が強まった。日銀が実施した国債買い入れオペの結果は中期債への売り圧力の強さを示し、5年債利回りは約2カ月ぶりの高水準を付けた。
大和証券の小野木啓子シニアJGBストラテジストは、「米経済の軟着陸が可能との見方が日銀内で強まれば、12月など年内の追加利上げ観測が再び高まってもおかしくない」と指摘。日銀オペで残存3-5年など中短期債の結果が弱かったことも、「追加利上げ期待の復活が理由の一つかもしれない」との見方を示した。
小野木氏は、残存1-3年オペと3-5年オペは水準的に弱めの結果だった一方、10-25年オペは強めの結果だったと分析。3-5年オペの応札倍率は4.11倍と昨年11月以来の高水準だった。
日銀:国債買い切りオペ一覧 (表)
新発国債利回り(午後3時時点)
株式
東京株式相場は3営業日続伸。米雇用統計が景気の堅調さを示し、投資家のリスク選好が強まった。為替が前週末の日本株終了時点から円安に振れていることから、電機や自動車といった輸出関連銘柄を中心に幅広く買いが入った。金利上昇を受けて銀行や保険など金融株が大きく上げた。