ブッフォンの発掘者が退場の鈴木彩艶を擁護「私は責めない。間違えたのは主審。あれはFWが…」
元イタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンの発掘者として知られるエルメス・フルゴーニ氏が2日、パルマ情報サイト『スタディオ・タルディーニ』のインタビューに応じ、日本代表GK鈴木彩艶に見解を示した。 今夏、シント=トロイデンVVからパルマへと移籍してセリエAに新天地を求めた鈴木。日本人初のGKとしてイタリア最高峰のリーグに挑み、ここまで全3試合に出場している。好セーブやロングフィードでチームに貢献した一方、第3節のナポリ戦では不用意な飛び出しで退場処分を受け、チームはその後、1-2で逆転負けを喫した。 そんな中、かつてジャンルイジ・ブッフォンを発掘した元パルマGKコーチであり、FC東京 GKテクニカルアドバイザーを務めた経験を持つフルゴーニ氏が、パルマ情報サイトを運営するイタリア人ジャーナリストで元パルマ職員のガブリエレ・マヨ氏のインタビューを受け、鈴木を擁護した。 鈴木は、指揮官のファビオ・ペッキアが交代枠を使い切った直後の75分、エリア外に飛び出してボールを遠ざけた際、ナポリのブラジル人FWダヴィド・ネレスと接触。2度目の警告を受け、GK不在の10人のチームを残してピッチを去った。このシーンは物議を醸すこととなったが、フルゴーニ氏は主審のミスであると主張。ブラジル人FWの思惑通りの展開になったと指摘している。 「あの飛び出しに関して、私は鈴木を責めない。どちらかというと、間違えたのは彼ではなく、主審だったのだと思う。彼がボールへ向かった時、ネレスとは2、3メートルの距離があった。したがってネレスが止まるべきだったんだ。だが彼は、鈴木にぶつかっていくことで、あのようなことが起きることを望んだのではないだろうか。だからあれは、FWがファウルをもらいにいったのであり、それほど鈴木に責任はないように思う。彼はその前に好セーブもしていたしね」
日本人GKはイタリア人にない勇気を持っている
元パルマのGKコーチは、第2節ミラン戦の金星に貢献した鈴木のパフォーマンスを称えたうえで、日本のGKがイタリア人GKとは異なり、勇気あるプレーを見せることを指摘した。 「彼はミラン戦で素晴らしいセーブを見せ、自身の価値を示した。今後、技術面に取り組まなければならないが、彼には潜在能力に加えて勇気がある。私は日本にいたことがあるが、日本のGKは、この勇気というクオリティを持っている。多くのイタリア人GKはうまいが、この勇気をもっていない」 またフルゴーニ氏はGKについて語り、育成期において、うまさよりもクオリティを重視するべきであると主張した。 「みんなは、GKがうまいかどうかで判断したがるが、うまいGKはそこら中にいる。だが観察すべきはクオリティなんだ。GKになるためのクオリティを持っているかどうかだ。もしクオリティがなければ、若い頃はうまくても、高いレベルまで到達できない。クオリティが決定的であり、そのクオリティは天から授けられるものだ」