なぜ、空いている電車で知らない人が隣に座ると嫌な気分になるのか?SNSでも話題の「トナラー」の実態
最近SNSを中心に話題となっている「トナラー」という言葉。 電車の座席などで周囲が空いているのにあえて隣に座る人や、ガラガラの駐車場でも隣にクルマを停める人のことを意味するが、SNSではなぜか男性が女性のそばに座るパターンが多いことが問題になっている。 【調査結果】パーソナルスペースの敏感さにも県民性が!一番敏感なのは岐阜県・山口県。2位は?調査結果を表で詳しくみる! なぜ男性はトナラーになりやすいのか? その理由は佐藤綾子さんの研究による、男女間のパーソナルスペース(Data3)を見れば分かりやすい。 男性は女性より面識のない他人との「公共距離」に10cmの差があり、この距離感の違いが電車の座席などでトラブルになっていると考えられるのだ。 その一方で気になるのはアメリカ人と日本人の公共距離。日本人は100cmほどである一方、アメリカ人は350cm以上と3倍以上も差がある。なぜ日本人は公共距離が狭く、アメリカ人とここまで差がつくのか? 「日本は国土が狭くて人口密度が高いこともあるし、おおよそ単一民族であることも一因。またアメリカは銃社会なので他人に対する警戒心が強いことや、農耕民族と狩猟民族の違い、日本人は体臭が少ないことなど、さまざまな要因が絡んでいるんです。 アメリカなどでは日本人の距離感が近すぎることで警戒され、トラブルになることもあるんです」 SNS上では男女間の差異が問題になっているが、国際的にみれば日本人全体がトナラーになる可能性は大。誰もが他人事ではない。 ■国際的に見れば日本人は距離感が近くトナラーになる可能性が高い 佐藤綾子さん国際パフォーマンス研究所 代表 佐藤綾子さん パフォーマンス心理学の第一人者として活躍する一方、長年にわたり国内外におけるパーソナルスペースの研究を行なう。
Data1|「知らない人の隣に座ること」に世界一ストレスを感じるのは日本人
【世界比較】飛行機を利用する旅行の際に、最も不安やストレスを感じることについて、「飛行機で知らない人の隣に座ること」と回答した人の割合が一番多いのは日本。2位はアメリカ。調査国の中で一番低いのはフランスだった。 全席指定の飛行機では、席の移動は基本不可。そのため知らない人の隣に座るケースは多いはずだが、だからこそ逆に〝トナラー〟になる余地もない。そのあたりが日本人と相性が悪いのか?