ロシア、ウクライナ電力システムに大規模ミサイル攻撃-今月2回目
(ブルームバーグ): 28日朝にロシアがウクライナの電力システムを標的に大規模なミサイル攻撃を仕掛け、キーウでも爆発音が響いた。電力インフラを狙った大規模攻撃は今月に入り2度目。
ウクライナ国営電力会社ウクルエネルゴは、通信アプリ「テレグラム」で、全土のインフラに対して今年11度目となるロシア軍の攻撃があったと発表した。詳しい被害状況の説明はなかったが、キーウを含む全国で緊急停電が実施された。
ウクライナ空軍は、91発のミサイルのうち79発、97機の攻撃型無人機(ドローン)「シャヘド」のうち35機を撃墜したと発表した。ロシアは17日にも、約120発のミサイルと90機のドローンを発射した。
ウクライナのゼレンスキー大統領はX(旧ツイッター)で「標的はわれわれのエネルギーだ」と述べた。
ゼレンスキー氏によると、複数の地域で、クラスター弾を搭載した巡航ミサイル「カリブル」による攻撃があったと報告され、意図的に民間インフラ施設を狙ったものだったという。同氏はクラスター弾の使用について、救助活動を難しくする「卑劣なエスカレーション」と非難した。
ウクライナ当局は、すべてのミサイルが撃墜されたため被害は報告されていないと説明したが、複数の地域で被害が拡大している。ミサイルでウクライナ西部の電力供給は大幅に混乱し、地元知事らのテレグラム上での発表によると、リビウ、イワノフランキフスク、リブネ、ボリン各州では住民130万人以上が停電に見舞われた。その他の州でも停電やミサイルの破片による被害が報告されている。
ウクライナ国防省と協力する地図サービス「ディープステート」によると、ロシアはハルキウ州とルガンスク州で徐々に進軍し、占領地を拡大している。一方、ウクライナ軍は、今年初めに奇襲侵攻で占領したクルスク州ダリノ村を奪還した。
原題:Russia Targets Ukraine Power System With New Missile Strike (1)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Aliaksandr Kudrytski, Olesia Safronova