種から育てて5年で実を付けたポポーと西川さん＝嬉野宮野町で

　三重県松阪市嬉野宮野町の西川敏さん（75）が、畑で種から育ててきた〝幻のフルーツ〟・ポポーが今年初めて実を付けた。西川さんは「うれしい。味もおいしかったです」と喜んでいる。 　ポポーは、和名アケビガキとも呼ばれるカナダや北米など原産のバンレイシ科の樹木。楕円（だえん）形の果実がなり、食べることができる。マンゴーやバナナ、ココナツを足したような甘みで、南国フルーツのような味わいという。明治期に日本に持ち込まれたが、傷むのが早く、市場に流通しにくいため「幻の果実」ともいわれる。 　西川さんは小さい頃、祖父がポポーを育てていたことがあったが、実がなったところは見たことがなかったという。そこで、栄養価の高いポポーを自分で育ててみようと、5年前に種を購入し、育ててきた。 　現在は6本の木が高さ4メートルほどに育ち、今年は初めて5本の木に、アケビのような形の緑色の実がなった。 　実は熟すと落下するといい、食べ頃のサイン。中の果肉は薄いオレンジ色で、「初めて食べておいしかった」と満足している。