激励に訪れた本紙評論家・井川氏（左）の左腕を触る阿部監督（撮影・佐藤厚）

　「巨人春季キャンプ」（２２日、宮崎） 　巨人の阿部慎之助監督（４４）が、２３日に予定されるオープン戦開幕の阪神戦を前に、「動きます」と“先制攻撃”を誓った。昨季１勝２敗、防御率２・１０と抑えられた阪神の先発・伊藤将との対戦に「左打者を並べるよ」と予告。セオリーを打ち破る阿部野球で、アレンパ阻止の布石を打つ。 【写真】打撃練習する岡本和　下半身のごっつさが半端ない 　「こっちは隠すことはない。動きますよ。動くのって勇気もいるけど、動かれる脅威を僕も知っているから。それを見せていければいいかなと」 　テーマは「動く」だ。まずは左腕相手に左打者を並べる。昨季、伊藤将の被打率は右・２２８で、左・２２１。数字上の差はないが「見てても分かるような選手にリクエストも出す。それができるか、できないか。相手に考えてもらう」と不敵に笑う。監督就任からこだわってきたのは、勝負どころで１点を奪い取る野球。チャレンジャーとして、まずは試す。 　この日は走塁練習を取り入れた。一塁に走者を置き、投球がワンバウンドすればギャンブル的にスタート。長野やオコエらが、ディレードスチールを決めた。リーグ４位の盗塁数だけでなく、先の塁を狙う走塁の少なさが、データとしてある。指揮官は「いい暴走族、信号無視をしない暴走族を作りたい」と、独特の表現で積極走塁を求めた。 　昨季は６勝１８敗１分け。直接対決の勝敗が順位に大きく直結した。１８日のサムスン戦でも２犠打＆２盗塁、エンドランに２死からのセーフティースクイズと、多様な攻撃を仕掛けた指揮官。オーダーも作戦も動く、動く。“暴走ジャイアンツ”が、昨季の日本一チームを迎え撃つ。