“おばちゃん体型”に悩み筋トレ開始 子宮頸がんステージ3宣告での中断を経てコンテスト3位入賞 「運動できる身体が当たり前じゃない」
ステージに立つ選手それぞれに物語がある。岡山県倉敷市で5月12日(日)に開催されたベストボディ・ジャパン主催の『モデルジャパン2024岡山大会』ウーマンズクラスで3位入賞を果たした唐松真衣(からまつ・まい/43)さんも、その一人だ。2022年に発症した子宮頸がんを乗り越え、今年度から大会に復活。その軌跡を辿ってみた。 【写真】唐松真衣さんの透き通るような白肌で魅せたビキニ姿
お腹のたるみや垂れたお尻……いわゆる“おばちゃん体型”に悩んでいたという唐松さん。好きな服ではなく、身体のラインを隠すような服しか着られなくなってしまった自分を変えたくて、運動を始めた。最初はYouTubeを見ながら自己流で運動をし、数kgの減量に成功。しかしそれ以上落とすことができなかったため、パーソナルトレーニングができるジムに通うようになった。 トレーニングを始めて1年後の2022年、トレーナーの勧めもあって大会に初挑戦。初戦の岡山大会を終えた直後、子宮頸がんのステージ3であることが発覚した。ステージ3というと、対象の臓器を超えて周囲の組織やリンパ節に広がっている状態だ。他の臓器に広がっているわけではないが、局所的にはかなり進行しているため治療が困難になるケースもある。 「普段、看護師として働いているので、“ステージ3”という宣告を受けたときには“死の確率”が頭をよぎりました。自分の人生はこのまま終わっていくんじゃないかと……。相当、ショックでしたね」と、唐松さんは当時を振り返る。
岡山大会後も他の大会に出場予定だったが、すべてキャンセルし治療に専念することに。抗がん剤と放射線を併用し、約3カ月の治療を行った。薬の副作用で体重は30kg半ばまで減少。筋肉が減ってしまい、立って歯磨きをすることもままならなかったという。治療の甲斐あって進行は止まったが、落ちてしまった筋力と体力。さらに治療中に投与した抗がん剤が体内から抜け切るまでは、相当苦しかったと話す。 「命が最優先だったので仕方ないですけど、何をしてもすぐに疲れるし体力が以前の状態に戻るのかも心配でした。そんなしんどい時期でも、元気になったらトレーニングをしたい!とずっと思っていました。モチベーションってやつですかね」 少しずつ体調が回復し、昨年の夏からトレーニングを再開。身体を慣らすことから始め、徐々に身体作りをしていった。半年ほどかけて筋力と体力を戻し、仕事の合間を縫って、24時間ジム・パーソナルトレーニングジム・ピラティスに通うまでになった。 「治療でしんどい時期があったから、運動できる身体が当たり前じゃないと思うようになりました。トレーニングをしていると生きてるって感じがします!やろうと思ったら、人は何歳になっても、どんな状態からでも変われますよ」と、力強く話してくれた。
取材:小笠拡子