地域でコラボ、ビール製造 南砺(富山)の醸造所、園児が育てたホップ使用
富山県南砺市山見(井波)のクラフトビール醸造所「NAT.BREW(ナット・ブリュー)」は、地元の井波にじいろ保育園の園児が育てたホップを使いビールを製造した。初めての試みで、缶入りのラベルには園児が描いた自分の顔や昆虫などカラフルなイラストが施されている。同醸造所は「地域とのつながりが感じられるビールに仕上がった」と完成を喜んでいる。 製造責任者の望月俊祐さん(32)によると、醸造所と保育園がコラボした取り組みは全国的にも珍しいという。 ホップの栽培は、望月さんが加わる市商工会青年部井波支部(高橋雄大支部長)が思い付いた。園では毎年、子どもたちがアサガオを育ててグリーンカーテンにしていた。今年、栽培の手伝いを支部が依頼された際、夏場に青々とした葉が広がるホップを提案した。 5月に望月さんや支部員が園児とともに15株を園内に植えた。年長児41人が水やりや草むしりを担い、夏には高さ約3メートルまで伸びた。9月に収穫し、10月から醸造してビールにした。
商品名は完成の喜びを分かち合いたいと「Niziiro’s Share」とした。アルコール度数が低く、さっぱりとした飲み口という。350ミリリットル入りで1本660円。同醸造所や道の駅いなみで販売している。 山田真由美園長は「子どもたちは毎日楽しそうに育てていた。たくさんの人と関わる機会にもなった」と振り返る。望月さんは「地域とのつながりから商品という形にでき達成感がある」と話し、来年以降も続けたいとした。