デブリ、茨城の研究施設に輸送 14日から本格的な分析へ
東京電力は12日、福島第1原発2号機から試験的取り出しで回収した溶け落ちた核燃料(デブリ)を敷地外に搬出し、茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構(JAEA)の大洗原子力工学研究所に運び込んだと発表した。JAEAは13日にデブリを取り出し、14日から本格的な分析に入る予定。その後、4カ所の分析機関で詳細な調査を行い、1年程度で結果をまとめる計画。データは、デブリの取り出し工法や保管方法の検討に役立てられる見通し。 東電は12日午前9時19分に輸送準備を完了し、小石状で約5ミリ、重さ約0.7グラムのデブリを放射線を遮る容器に入れてトラックで輸送した。午後1時11分に同研究所にトラブルなく到着。同2時41分にトラックからデブリの入った容器を下ろした。 JAEAの担当者は12日の記者会見で、これまでも第1原発から運び込まれた放射性物質を含む物体を分析してきた実績を強調し、「採取されたサンプルを最大限に生かして分析結果を出す。(0.7グラムだが)なるべく分割していく」と述べた。JAEAはデブリの成分や結晶状態、放射線量などを分析する。その後、分析の優先順位を設定し試料を分けて各分析機関で詳細に調べる。
福島民友新聞