元国産メーカーのデザイナーが愛するランチア「アッピア ザガートGTE」のこだわりとは? 米国でフルレストア、内装トリムは自らミシンがけしました
4年半かけてレストアし、内装トリムは全て自分で作業
アッピア ザガートGTEのレストア中は2週間に1度の割合でショップに作業を確認に行くだけではなく、シートの形状、革の素材、トリムの色は、徹底的にオリジナルを研究したという。 「アメリカ人はオリジナルを尊重する気質がありますが、私は本来のデザインを活かすために、ディテールをスッキリさせてる部分もありますし、部分的には変更箇所もありますよ。例えばバンパーも安全対策のためのGTE用の大型のものから、小さなものに交換し、ライセンスランプのベースもすっきりとさせるために自作したものを取り付けています」 と牧野さんは教えてくれた。シートも同じザガート製のアルファ ロメオ「SZ コーダトロンカ」に使われていたレース仕様が偶然入手できたので、換装し軽量化するなどアップデートが施されている。 「ボディカラーは悩みました、アッピアはランチア車中、一番小さなクルマ。小気味の良さを色で表現したかった、最初は濃紺のランチアブルーにする予定でしたが、1/43モデルにあった鮮やかなブルーで正解だったと思ってます」 結局アメリカでのフルレストア作業は、帰国直前までの4年半にもわたったという。 「インテリアトリム類は全て自分でレストアしました。シートも2カ月かけてミシンで縫ったんですよ。シンガーのヘビーデューティミシンを買ったのですが、妻の家庭用のブラザーの方が使いやすかったな(笑)」 そうして帰国ギリギリまで作業していたアッピア ザガートGTEは、2022年も終わる頃に、晴れて日本で車検を取得。今回でイベントへの参加は3回目、細部の調子も心配ない状態で、これからもイベントを楽しみたいそうだ。
奥村純一
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