ホームで強豪・アルゼンチンと激突!木暮賢一郎監督が重視するポイントは?【フットサル日本代表|メンバー発表会見】
12月6日、日本サッカー協会(JFA)は、アルゼンチン代表との国際親善試合に臨む、日本代表メンバーを発表。同日、木暮賢一郎監督がオンラインで記者会見を行った。 会見ではメンバー選考の理由や、この2試合の狙いについてが語られた。
「技術」「戦術」「フィジカル」「メンタル」の全てを求めている
●木暮賢一郎(日本代表監督) ──12月14日と17日に、東京都と北海道で開催されるアルゼンチン代表との国際親善試合に向けて。 非常にいいマッチメイクができたと思っています。アルゼンチンは前々回のワールドカップ(2016年)では世界チャンピオンに、前回のW杯(2021年)でもファイナルまで進んでいるトップ・オブ・トップの国です。彼らにとっても年を明けてW杯の南米予選に臨む前の、非常に重要な時期の準備期間になります。日本戦に向けて招集されたメンバーを見ると、限りなくベストに近く、我々にとっても重要なゲームになると捉えています。なおかつ、ホームで試合ができるということで、フットサルというスポーツの魅力をより多くの方に伝える貴重な機会だとも捉えています。素晴らしい2試合を迎えられるよう、最大限の準備をしたいと思っています。 ──山田凱斗選手が久しぶりの招集になりますが、期待していることや今回選ばれた理由は? 凱斗に関しては、4月のモロッコ遠征を境に招集できていませんでした。その理由は、彼が怪我の回復に多くの時間を充てていたということがあります。怪我がなければ(これまでの活動にも)呼んでいる可能性の高かった選手です。今は回復を経てプレーをしているということで、今回招集をしています。久しぶりの招集になるので、いいパフォーマンスをしてもらいたいですし、もう一度代表の加わってほしい。そういう意味でチャンスだと思いますので、いいコンディションで来てもらいたいです。 凱斗だけでなく、海外組は前回のウズベキスタン遠征にはFIFAデイズ外の活動だったので招集できず、国内組のみでゲームを行いました。今回はFIFAデイズになるので、海外の選手を招集しました。特にスペインリーグは、2部リーグには適用されていない事実がありますが、1部リーグにはFIFAデイズが適用されているので、そのルールをうまく生かしての招集となっています。 この後、質問もあるかもしれないですが、逸見勝利ラファエルに関しては招集する意図がありましたが、コンディションのところで見送るかたちとなっています。原田快に関しては、先ほども申し上げたようにスペイン2部リーグはFIFAデイズの適用外になりますので、彼は常にFIFAデイズ外になります。何試合もクラブのゲームに出場できていないということが続いていて、8月に海外の全クラブを訪問した際のバルセロナとの会話において「すべてに招集されることは難しい」とも言われていますので、スペインから日本への移動距離、時差を考えて、今回はクラブとも話し合って、招集を見送ることになっています。あと(オリベイラ・)アルトゥールは中国リーグがカップ戦の時期で、我々が元々聞いていた時期より1日遅い背景もあるので、合流が少し遅れます。 ──今回甲斐選手も復帰していますが、今年名古屋に新たに加入した3名への今の評価は? 稜人や(金澤)空はU-18の年代から私と一緒に長く活動してきている選手です。大きな怪我から復帰して元の状態以上のものになってきていると感じています。ウズベキスタン戦に関しては各クラブ3名という縛りがあったので、空と(吉川)智貴、(清水)和也の3人を招集しました。縛りがなければウズベキスタンにも行っていたかもしれないし、呼んでいなかったかもしれない。少なくとも今回に関してはそういった縛りがないので、クラブでいいパフォーマンスをしていることと、前からずっと見てきていることを踏まえてメンバーに入れました。 これまでの活動にも若い選手を必ず招集していますし、合宿に呼ぶのではなく国際マッチを経験してもらうということは一つの軸としています。今回はそういう意味で彼にチャンスを与えたという意味もありますが、ご褒美ということではなくクラブで示しているものがあるからこそです。 あとは今名前があった和也や、空の評価について。代表活動で特に違いを見せてくれているのは、フィジカルのところですね。ハイスピードを保った上でパワーを発揮する力、スプリントを複数回連続で行うことができます。そこに関しては唯一のプロクラブで、常にいいトレーニングができる環境下にある名古屋に移籍したことで、大きな成長をしているのではないかな実感しています。そこは彼らが今、何位であるとか何点取っているかとはまた違う話だと思っているので、あくまで見ているのはパフォーマンスというところです。 ──代表選考の基準について、個のスキルと代表の戦術にフィットするのかどうか、どちらに比重を置いているのかを教えてください。 基準については、常々言ってるいように、第一にクオリティが高い選手。クオリティというのは、技術、戦術、フィジカル、メンタル。その4つのキーポイントの全てを備えていることが「クオリティ」です。なので、技術が非常に素晴らしくても、フィジカルやメンタルはどうなのかということですね。 2つ目は、クラブもしくはリーグでハイパフォーマンスをしているかということ。このハイパフォーマンスというのは、まず一人の選手としてどうか、次により競争力のあるチームでどういうプレーができているかということです。誤解してほしくないのは、最下位のチームだから呼ばないということではなく、長いリーグにおいて特にハイレベルなゲームをどう戦っているか。例えば名古屋、今だと町田との試合も当てはまるかもしれないですね。あるいは上位リーグ同士の対戦など、競争力の高いゲームでパフォーマンスを発揮しているかも一つの基準になります。これからのW杯に関連する試合では短い時間で強豪国と戦う必要があり、ここ一番の勝負所でクオリティを発揮できるかどうかは、そういった競争力の高いゲームじゃないと見えないところがあります。わかりやすく言うと、力量差のある相手との10-0の試合で10点取ってるから代表に入れわけではないですよということですね。 3つ目は、同じレベルだったら間違いなく若い選手を選びます。4つ目はその選手のこれまでの努力や、残してきた結果で最初の招集は判断することもあります。そこから2回目に呼ぶときに、コンセプトに合うか合わなかいかを見極る。あくまで次のフェーズです。なので最初の入り口で代表の戦術に合う合わないで判断することは一切ありません。 ──今シーズンのFリーグは競り合っていて、例年以上にハイレベルな試合が多いように感じます。代表監督の目線としては、どうご覧になっていますか? まさしく、一つのゲームで1位、2位の順位が、もしくは残留争いも順位が変わるような、我々が求めている競争力の高いゲームばかりです。目の前のゲームでの勝ち負けに対して大きなプレッシャーがかかる試合が増えることで、そういったハイプレッシャーに対する選手のパフォーマンスを見極めることもできますし、選手たちがさらに成長する機会です。非常にいい傾向だなと感じています。 また、先ほども話したとおり順位が上にいるクラブはリスペクトしてますし、そこでプレーしている選手たちは常にいいパフォーマンスをしているからこそ、その順位にいるという前提があります。あとはどういう勝ち方をしているか。今の代表の戦術に合う、合わないという視点ではなく、なぜこのチームがこの順位にいるのかの理由は、しっかりと見ています。そこは選手個人を見る基準にも少しは含まれていることは伝えておきます。
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