「息子の病気に治療法はない」平均死亡年齢4歳の病気に向き合う親子 世界に30人もいないの希少遺伝子疾患の子を持つ母に、闘病について聞いた
楽しみを増やして
むたろうくんの病気に、治療方法はありません。 生まれてから3歳までは経鼻胃管経管栄養で、特殊ミルクや栄養剤で栄養をとっていたむたろうくん。ねむさんは多いときは1日8回、1回2時間かかるなど常に注入するか注入の準備や片付けをしているような感覚だったといいます。現在は胃管が外れたとのこと。 そして、病気に合わせた食事を心がけています。これは指導を受けたものではなく、ねむさんが勉強し医師に有効そうか確認して実践しているのだそう。 「実際のところ、これが本当に息子の体のためになっているのかはわかりません。情報もなく正解もわからないまま、自分から何が子に良さそうか、情報をキャッチできるように視野を広く持たなければと思っています」 大変なことだけではなく、嬉しい成長も見られました。 感染症予防のため、ずっと人ごみや集団を避けて暮らしてきた親子。療育に通いはじめ、他の子と楽しそうに遊んでいるむたろうくんの姿を見て嬉しかったとねむさんは言います。 「1番つらいのは、本人がやりたくても感染予防のため避けている活動がたくさんあることです。公園で遊具に触って風邪をひき、集団に参加したら発熱して入院したことも何度かありました。そのため、なるべく親がつきっきりで物に触らないようにしたり、遊びたがるものが目に入らないように避けたりしていました。今はさらに活発になってきたこともあり、本人の意思をできるだけ尊重し、触ったらすぐ消毒、せっけんを携帯してどこでも手を洗う、帰宅したら着替える、足を洗うなどをするようにしています。息子が楽しめることを増やしてきているところです」 現在、むたろうくんが行っている医療的ケアは血糖測定のみ。保育園、幼稚園へは通わず療育のみ週5日通っています。 通所中は、発熱したらすぐに連絡をしてもらうようお願いし、低血糖の症状が見られたら、すぐに糖分をとるようブドウ糖やラムネを持たせているそう。飲ませ方のメモも渡しています。また、念のために解熱剤も保管してもらっているそうです。 たくさんの方がむたろうくんをサポートしています。 「日々、感染症や食事に気を使うのはもちろんですが、むたろうには本人の知的身体的可能性を楽しく伸ばしていってほしいと思っています。私自身が知識をつけ、むたろうの病気を理解いただける施設やサービスと繋がれる努力をし、安全に成長していけるようサポートしたいです。病気の診断がついたときには、感染症を避けるため義務教育年齢までずっと家で世話をするつもりでしたが、本人の成長を見ていて家庭内だけで育てるには限界があると感じました。さまざまなサービスや児童発達支援施設の方と相談し、息子の病気に配慮をいただき、最善の努力をして助けてくださること、みんなでこの子の成長を願えることを知って救われました。私だけでは到底できなかった支援に日々感謝しています」 これからもねむさんの試行錯誤は続きます。
ほ・とせなNEWS編集部
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